ピックアップ GⅢ 富山 08/03
決勝戦で見せた北井佑季の突っ張り先行は衝撃的なものだった。眞杉匠を突っ張り切った上で、郡司浩平とワンツー。ただ突っ張って逃げるだけじゃなく、自分がもつペースを計算しての先行。自分も生きる先行だった。この先行を、次はG1で。33歳。遅咲きの徹底先行が、誰よりもアツい夏を過ごしている。
今期からS級初挑戦の堀江省吾は、今回が初めての記念参戦。序盤からスピードが上がって流れが生まれるS級の9車立ては、堀江の脚質に見事にマッチ。初日と最終日は先行で2着。2日目は武田豊樹の前で奮起した。
「昨日(3日目)は後ろに迷惑を掛けてしまったんで、今日は力を出し切って終わろうと思ってました。昨日はフタをされて焦って作戦と違う動きをしてしまった。志田(龍生)君の方が格上なのに、意味のないもがき合いをしてしまいました。でも、S級の方がペースが上がるから自分に向いているし、9車立ての方が走っていて楽しいです。今回の4走でいろんな経験ができた。特に武田(豊樹)さんと一緒に走れたのはめちゃめちゃいい経験ができたと思います。武田さんや、中田(健太)さんにはいろんなアドバイスを頂いた。A級では自分が中心のレースになるけど、S級は真逆になってくる。そこをどう走っていくかって所で、すごくアドバイスを頂けました」
松尾透は昨年から不動會の練習に参加して己を磨いている。その成果が出て、7月久留米F1、続く佐世保F1と連続優出。今節は初日敗退に終わったが、その後の3日間はまくりも繰り出して1勝を含む3連対でシリーズをまとめた。
「イメージ的にはもうちょいですね。まだ(まくりが)もたついている感じはあるんで。この先、覚悟するときは(番手勝負にも)行こうかな。でも、まずは土台をしっかりしてから。失礼のないようにしてからですね。とにかく今は練習が強烈なんで。あとは自分は競走をしっかり走っていくしかない。一戦一戦集中してやるしかない。こんな成績を自分はなかなかS級で残せないんで。まだまだ上積みを作って、次の別府(F1)で弾みを付けたいですね」
森田優弥は失格の影響で約3カ月間あっせんが止まっていた。追加で参戦した今節は準決まで勝ち進んで、最終日は1着締め。地元でのオールスターに向けて徐々にレース勘を取り戻していった4日間だった。
「うまく反応できて良かった。今日(最終日)が一番レースを見極められましたね。レース勘は、オールスターの初日までに戻ってくれればいいなって思った。今回の追加はめちゃめちゃデカかったですね。1週間ぐらい前にサドル周りのセッティングをいじったんですよね。それで街道練習は行ってたけど、バンクでは乗ってなかったんで今回走れてよかった。追加さまさまですね(笑)」
今期は半年ぶりに1班に返り咲き、初日特選からスタートした渡部幸訓だったが、未勝利でシリーズが終了。ただ、最終日は新山響平マークで2着に入った。オールスター前に、新山の番手を回った意味は果てしなく大きい。
「離れかけましたね。どんどん踏み上がっていくし、ペース配分に遅れてそこからきつかった。千切れつつ意地で付いて行った感じですね。最近は3、4番手が多くて、(新山)響平の走りがイメージとちょっと違った。オールスターの前に響平の後ろを回れて、かなりアタリがつきましたね。これ以上きつい位置はないんで。不安はちょっとなくなったし、久々に勉強になった。ただ、課題が見つかり過ぎてあと1週間でどれだけ潰せるかは分からないです。オールスターは去年失格してますし、無事に走って車券に貢献できるように。勝負は出来てると思うんで、展開が向いてくれればいいところまで行けると思う」