躍動感が際立つ松浦悠
4月武雄記念で落車した後は、一息不足の場所が続いていた松浦悠士だが、最近は鋭い動きが甦っている。高松宮記念杯の決勝は、古性優に好ブロックされて不発に終わったものの、4番手から脇本雄に襲い掛かったスピードは素晴らしかった。ようやく復調の兆しを見せると、その後は7月小松島記念❶着、サマーナイト❶着と連続V。小松島の決勝では、新山響の番手を坂本貴から一瞬の隙を付いて奪い取る俊敏な走りを披露すると、サマーナイトの決勝は脇本雄に目標を絞って逃げた脇本を余裕で差し切り、大会3連覇の偉業を達成した。当所記念も68、71周年大会を制していて相性がいい。今の脚勢なら連覇の可能性は大いにある。
サマーナイトでは、1輪差で決勝を逃がした郡司浩平。ビッグレースでの戦績は一息も、高松宮記念杯では東準決1着で優参を果たし、7月小松島記念❷着の決勝では松浦とタイヤ差のデッドヒートを演じている。基本は自力勝負だが、南関の自力型と同乗したときは番手戦が多い。高松宮記念杯の東一次予選2でワンツーを決めている北井佑季との連係が叶うようなら前を任せよう。小松島記念の初日特選、準決で郡司に食い下がって2着の内藤秀久が後ろを固めればラインも強固だ。
新山響平、佐藤慎太郎、渡部幸訓とそろった北日本勢も好勝負が見込める。先陣を受け持つ新山は、持ち味の自力攻撃に一段と磨きがかかった感がある。サマーナイトの準決は運行がうまくいかず決勝を外したものの、ウィナーズカップ、ダービー、高松宮記念杯とビッグレースで3大会続けて優参を果たした。ベテラン佐藤もダービーは決勝3着、高松宮記念杯では準Vなど元気一杯。新山が主導権を握れば、北日本勢が優勝をさらう場面もありうる。
地元中部地区のエースは浅井康太。今年は年頭から安定した成績を残していて、1月別府、4月四日市G3、6月大垣記念と3Vを達成している。ここは中部勢の層が薄いので、厳しい戦いを強いられる可能性はあるが、大垣記念の決勝は、単騎ながら先制ラインの4番手を確保してのまくりで犬伏湧を着外に沈めた。どのようなメンバー構成になっても、その動向からは目が離せない。
今年は5月宇都宮記念を含め、6Vを達成している眞杉匠にも魅力を感じる。サマーナイトの予選は吉田拓に差されたものの、先行して2着に粘りラインでワンツーを決めていて、相変わらず調子も良好だ。神山拓弥を引き連れてタイミングよく仕掛けられれば、台風の目と化すこともありそうだ。
高松宮記念杯では優参成らずも西準決3着、サマーナイトは➍着と2年連続となる決勝進出を果たした山田英明。徐々に動きが良くなっているので、好位置キープに成功すれば怖い存在となろう。