ピックアップ GⅢ 平 01/25
グランドスラマーが、デビュー19年目で初めて手にした地元記念。3日制を含めて5度の優勝を誇る伏見俊昭、4Vの山崎芳仁には到底及ばないが、G1全冠制覇でも感じられない地元ファンの声援を全身に受けた新田祐大の笑顔は忘れられない。
「先輩の前で決勝を走りたかった」とは、シリーズを2着の高橋晋也。一次予選を山崎、二次予選では佐藤慎太郎とのワンツーで、準決は新田を引っ張った。19年に競輪学校を卒業してからはナショナルチームに所属したこともあり、静岡を拠点にしていた高橋だが、昨年12月に平に戻ってきた。ようやく師匠の飯野祐太の下で始まった新生活で、高橋の競輪人生第2章の幕が開ける。
「(静岡の時も)ときどきこっち(平)で合宿をしていて、それで調子が良くなってきていた。(渡邉)一成さん、新山(響平)さんには(静岡にいる時に)いろいろアドバイスをいただきましたが、やっぱり師匠が近くにいるっていうのは安心です。(競輪学校を)卒業してからはずっと静岡だったし、帰ってきたら調子が良くなるっていうのもありました。まだ発展途上なので、もっと強くなって北日本を盛り上げていきたい」
窓場千加頼は3度目のG3優出も、記念の決勝進出は初めてだった。「こういう豪華なメンバーで決勝に乗れたのは自信になります」と、準決後に喜んだが、ファイナルをでも見せ場たっぷりの2着で、次回の2月9日からの全日本選抜に弾みをつけた。
「1走、1走、気持ちを入れて走れたし、その気持ちに結果もついてきた。今開催は(古性優作、神田紘輔と同地区の)同期にも恵まれた。ただ、(二次予選では)弱気で(古性の)後ろを回ってしまった。今度は前を回れるように。脚力的にはこれなら次のG1でも大丈夫だと思うので、この気持ちでしっかりと走りたい」
シリーズ2連対の小川賢人は、単騎で大外をシャープに突き抜けた3日目、ライン3番手から伸びた一次予選と動きの良さが光っていた。
「(3日目も道中で)1着にいけるくらいの余裕はあったんで、(最終2センターを)登り切れればと思ってました。内容はどうかなっていうのがあるけど、脚はいいですよ。(昨年の)11月後半からセキと熱が出て、2回連続でそれがきてしまって、点数を落としてしまった。前回の小田原で感覚をつかめて、(調子が)戻ってさらにプラスがあるくらいですね。べつにセッティングとかは変えてない。7車立てに戻ると難しいところもあるけど、今年はイケそうです」
初S級の前期は課題を残す戦績だった梁島邦友は、今期S級点の確保が1つのポイントでもあろう。流れに応じたソツのない立ち回りから3日目には白星をつかみ、成績以上の動きをシリーズを通して見せた。
「(前回の松山のあとに)師匠(山下渡)に自転車をみてもらってからいい感じです。それまでは自分でやったんですけど、思うように進んでなかった。いまは力がちゃんと伝わっている感覚がある。前期(S級で)走ってみて課題とかも見つかって、ここ1カ月くらいですかね、練習を変えてみたりもしたので、ちょっとずつだと思います。(課題は)トップスピードとトルクです。(S級で)手ごたえも出てきました。」