• 武雄競輪場開設74周年記念大楠賞争奪戦5/11〜5/14

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 武雄 05/11

山田英明

山田英明

 弟の庸平がまさかの準決敗退。地元からただ一人、決勝に進んだ山田英明に待っていたのは、清水裕友の番手を巡って稲川翔との競り。稲川も引くに引けない、訳あっての苦肉の選択。その意をくんだ清水の志田龍星、根田空史を不発にした先行策もまた見事だった。結果的には東日本勢の上位独占に終わったものの、山田は最善を尽くして4着。「優勝以外は悔しいし、負けたのは悔しい」と、地元でのV逸を前置きしたうえで、こう続けた。

 「ジカ競りは初めてだった。初めての競りで(レースが終わった直後は)まだフワッとした気持ちだけど、いい競輪ができた。(競ったのが)イナショウ(稲川)で良かったと思ったし、(きれいな競りで)気をつかってくれた部分もある。そういう意味ではありがとうっていう感じです。悔しいですけどね」

 泥臭さが身上ともいえる山田に襲った地元での試練。それでも稲川へ一切の“恨みぶし”がないのは、山田の器量。競輪は、結果がすべてではない。三者三様に競輪道を貫いた山田、清水、稲川の走りは称えられてしかるべきだろう。

阿部力也

阿部力也

 前回のダービー最終日から古性優作、清水裕友のアドバイスもあって、阿部力也はセッティングを大幅に変えた。今シリーズは、一次予選から感触の違いをひしひしと感じて1❷着の準V。

 「(初日を走り終わって脚の感じは)だいぶいいかなと。(ダービーの)最終日に清水君と古性君にセッティングをいじってもらって、真逆の感じにした。今回も清水君にアドバイスをもらって、全然いいですね。清水君のフォームに寄せる感じで、(いままでとは)まるっきり違うんで慣れは必要ですけど。余裕もあった。せっかく(セッティングを)出してもらった2人をガッカリさせないようにしたい。(決勝は)ああなったら深谷(知広)君の踏み出しに集中してと。こんなに後輪に集中したのは初めてです。離れてもいけないし、突っ込んでもいけない。もしかしたら(優勝があるかもしれない)って思ったけど、深谷は回していましたね。(セッティングの方向性が定まったので)あとは練習あるのみです」

山口敦也

山口敦也

 スロースターターを自覚している山口敦也は、地元記念だけに一次予選に“全集中”で白星発進。ライン3番手でさばかれた二次予選では課題を残したが、シリーズを2勝2着1回の3連対。

 「昨日(3日目)のあとセッティングを浅井(康太)さんとかに教えてもらって、(変えて)それは良かった。感じはめちゃくちゃ良かったので、あとは(踏み込んだ時の)初速がもうちょっとあればと思います。次も(セッティングは)こんな感じでいこうかと。ただ、(二次予選では)ジャンで内に差している。それが問題ですね。そこで脚を使って削られてしまった。技術をもっと上げてレベルアップしていかないと。(状態が)悪くなかったんで、決勝に上がりたかった」

中西大

中西大

 昨年は11月から3カ月半以上の戦線離脱を余儀なくされた中西大は、今年3月に復帰。直近の競走得点も97点台とまだまだ完調とは言えないなかで、最終日はまくりで1勝。復帰してから9車立てで、初めて勝ち星を挙げた。

 「(1番車だった最終日)初手も間違ったし、ああいうところを丁寧やらないとダメですね。外に浮いていたんで(打鐘4コーナーで)力がないんで無理くり踏んだら、たまたま(最終)ホームで(3番手に)入れた。(主導権を取っての)自分の形にならない時に1着で締められたけど、自分だけ3車のラインなんで与えられた仕事をしないと。(今シリーズは)浅井(康太)さん、山田(庸平)さんにいろいろ聞いたけど、圧倒的に自分はトレーニングの量が足りてない。自転車に向き合う時間を増やして、ボリュームを増やさないと。レース勘もまだまだ戻らないし、次の期の7月には間に合わせたい」

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