• 別府競輪場開設74周年記念オランダ王国友好杯7/25〜7/28

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 別府 07/25

 上がり10秒9でS班の3人を仕留めた初日特選のまくりは、まぎれもなく“ホンモノ”で終わってみれば阿部将大の独壇場の完全優勝だった。「忖度番組でしょ(笑)」と、二次予選からの番手回りをこう言って笑ったのも余裕があるからこそだろう。準決では落ち着きはらった立ち回りで、逃げた伊藤颯馬を3着に残したことが、番手まくりでの優勝につながったのは間違いない。そしてなによりも光ったのは、S班でさえ脱帽した番手での冷静沈着な運行。阿部の天賦のレースセンスが、21年ぶりの地元からの別府記念制覇の快挙を生んだ。

大西貴晃

大西貴晃

 昨年は半年のA級ライフもあった大西貴晃にとっては、12年のデビューから10年以上がたち初めての地元記念。別線に飛び付かれた準決は7着も、あとの3走はすべて2着。地元で存在感を見せた。

 「(初の地元記念は)楽しかったですし、いい経験になった。(準決で谷口遼平にからまれたのは)ハコや3番手を回る人の宿命だと思っている。前(阿部将大)が強い自力選手で人気にもなっていましたからね。初日は緊張がありました。F1と同じ気持ちでと思っていたけど、声援が多くて人気になるとも思っていたんで頭が真っ白になった。そういうところがあったし、もっと上のグレードで戦っていきたいです。もっと脚がつけば決勝にも乗れると思う。(自力と番手は)どっちもいけるタイプですし、今回は師匠(菅原晃)と一緒になるかもしれないと思ったので自力の準備もしてきていた」

嵯峨昇喜郎

嵯峨昇喜郎

 好感触とは言えないなかで、嵯峨昇喜郎はシリーズを2着。まくりで勝ち星を挙げた3日目を見ると、本来のスピードが戻ってきた。ただ、特筆すべきは、ラインを上位独占に導いた最終日。立部楓真を叩けないと判断すると鈴木竜士をキメて、3番手からのまくりで別線を沈めた。

 「(3日目)林(昌幸)君も思いのほかいいペースだったし、三宅(達也)さんにも邪魔されて(叩きに行くのをやめた)。ヘッポコでしたね。(佐藤龍二に)位置を確保して入れてもらったんで、出切れなくても、行くところを行ってと思ってました。脚にきていたけど、先に仕掛けられたのは良かった。昨日(2日目)の方が良かったけど、ダッシュとかは悪くないので、もうちょっとですね。二次予選は古性(優作)さんと力勝負がしたかったんですけど、そういう展開にならなかった」

東矢圭吾

東矢圭吾

 追加配分だけに東矢圭吾は万全の仕上がりではなかったようだが、3日間バックを取って、最終日にはまくりで白星。二次予選では地元ワンツーに貢献をしたが、納得のいくシリーズではなかった。

 「(今シリーズは)全然、いいところがなかった。追加だったので、まだ仕上がりの部分でっていうのがあった。脚もあるんですけど、詰めも甘い。自分で展開を苦しくしてしまった。二次予選にしても、しっかりと残っておかないとダメですね。点数が上がってきて、自分が本線になることが多くなって警戒されることが多くなった。そこをしっかりと乗り越えられるようにならないと。次の久留米(8月1日から)は新田(祐大)さんがいるけど頑張りたい」

武田亮

武田亮

 武田亮はシリーズ最終日に1周半以上を風を切る先行策で押し切った。まくりに構えた初日予選と3日目は見せ場なく終了。練習のイメージのようにはいかなかった。

 「(最終日は)自分のなかで一番いい感じでペースで駆けられた。楽にモガけました。ちょっと連日、まくりがダメだった。まくりが出るような練習もして、(今回は)フレームも換えてみた。練習ではイケるかなっていうのがあって、(まくりでの)コーナーの倒し方も良かったんですけど…。このフレームで先行すると楽だっていうのはわかりました。(次回も)このまま使ってみて、サドルだけいじろうかなって思ってます。あとはまくりが出ればいいけど、どうしても(仕掛けるタイミングを)待っちゃうんですよね」

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