躍動感際立つ古性優
最近の古性優作は、輪界トップのオールラウンダーの地位を不動のものにした感がある。ダービー❸着、5月函館記念❶着、高松宮記念杯❸着など素晴らしい成績で、直近4カ月の3連対率は90%と驚異的な数字だ。高松宮記念杯の決勝ではゴール直前に落車したが、サマーナイトF❹着を見ても影響は少ない。躍動感にあふれた自在戦で優勝をものにしよう。山田久徳も自力を出せるが、4月川崎記念の決勝がそうだったように、古性との連係が叶うようなら前を任せるか。4月四日市、6月向日町でV、高松宮記念杯は着など、最近は伸びがいい。対照的に三谷竜生は6月久留米記念、7月奈良と大きな数字が目立ち、かみ合っていない印象だ。また、両者ともにサマーナイトFで落車しているので、その点は気掛かり。
ウィナーズカップの準決で落車した後は、なかなか本調子を取り戻せずにいる松浦悠士。高松宮記念杯の西一次予選1、6月久留米記念の初日特選では、いずれも犬伏湧に乗って勝ち星をゲットしているものの、前で戦って勝つレースは見られない。だが、練習での感じは戻っていると本人は自任する。後半戦の反撃へ、いい流れを取り戻したい。
ラインの総合力なら九州勢が上位。阿部将大、小岩大介の地元コンビに北津留翼、伊藤颯馬とそろっている。中でも阿部は自力攻撃が冴え渡っている。4月高知記念を制覇すると、その後も5月別府、6月函館G3、同月高松を3連覇するなど、勢いはとどまるところを知らない。スピード光る北津留、伊藤らが地元勢のためにひと肌脱ぐ可能性もあり、阿部が主役を演じる場面は十分。この大会の地元選手の優勝は、51周年大会前節の小野俊之を最後に、出ていない。記念開催が4日制になって初めて地元勢がその名を刻むか。
ダービーでは決勝進出を果たし、前回覇者の意地を見せた山口拳矢。その後はやや動きが重かったが、6月取手記念の決勝は、目標にした脇本雄が行けずとみるや、最終2コーナーから自力に転じて3着に食い込んだ。そして、サマーナイトFは❺着。自転車を戻してキレが復活しただけに、狙いすました一撃で今回も優勝争いに加わってくるだろう。浅井康太が山口とタッグを組む。前期は2月高松記念を含み3Vを飾っている。最近の動きもまずまずで、チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。
スピードスター・松井宏佑にも食指が動く。5月函館記念は逃げて準V。その後はやや波がある成績だったが、6月小田原❶着、7月豊橋❷着と、F1戦ながらここに来て連対続きだ。タイミング良く仕掛けて主導権を握れば好勝負に持ち込める。今シリーズの南関勢は上位クラスが少ないが、しっかりしたラインが形成されるようなら怖い。