ピックアップ GⅢ 岐阜 09/21
アッと驚く3連単51万円超の配当を準決で演出。S班の山口拳矢が直前に欠場した地元、中部地区にあって存在感を見せたのが村田祐樹だ。今シリーズが通算5度目のG3。前々回のオールスターでは初めてG1を経験した。「いろいろ経験をして毎回、課題ばっかりです」と、初G1を振り返っていたが、今シリーズはそのポテンシャルを遺憾なく発揮。太田海也、中野慎詞といった同期の早期卒業組には遅れを取ったが、養成所で3度のゴールデンキャップを獲得しながらも競走訓練では未勝利。力を秘めながらもミステリアスな雰囲気を持つ村田が、初めての記念決勝でもS班の松浦悠士、深谷知広の2人を苦しめて見せ場をメイクした。
「(決勝は最終)3コーナーまで夢をみました。でも、4コーナーでは脚がいっぱいだった。力勝負をして3着ですけど、まだまだ脚力的にも、組み立て的にも未熟な部分があるんで、これからしっかりとそういうところを補ってやっていきたい。(3着以内で来年11月の競輪祭出場の権利が)あるっていうのも先輩に言われて知りました。強い先輩たちがいるんで、自分もそこに向かっていきたい」
試行錯誤のなかで方向性を模索していた神田紘輔は、シリーズの4走で2着3回。練習仲間の窓場千加頼がG1に手が届くところまできているだけに、自身も取り残されたくはないというのが正直な胸中だろう。
「(窓場)千加頼とも練習方法を相談しながらやっています。練習でも強いし、刺激を受けながらというか悔しいですね。自分も負けられないっていう気持ちです。今回は初日からフォームを意識して、徐々に変えていった。感じは良くなかったけど、最近のなかではつかめている方だと思います。このまま煮詰めていったら、もう1つ良くなっていくと思う。あとは帰ってから千加頼に見てもらいます(笑)」
原田研太朗は、最終日に単騎での逃げ切りを披露。中近ライン3車に乗っての中団キープかに思われたが、最終ホーム手前からその上を仕掛けて押し切った。まくりで2着の3日目には、打鐘でいったん切って出て好位をキープしたように、淡泊さが抜けて前々の意識が高くなっている。
「最終日だったし、しっかり出し切ることを考えていました。(番手で追いかけた)福永(大智)君に追いつかれたら、力負けだし仕方ないかなと。距離は長かったですけど1着で良かったです。(最近は)トレーニングを積めているんで、だんだんと脚力も上がっている。前よりも踏めているかなって思います。腰痛があるんで、そこをケアしつつも攻めていかないとっていうのはあります。やることをやっていれば、結果も出てくると思う。続けていけば昔みたいにって思っています」
6月に3場所連続の完全VでS級に特進した滝本幸正だが、S級デビューは今期に入ってからで、S級4場所目の今シリーズが初のグレード戦。一次予選敗退も、2日目以降を着。最終日は特秀で北津留翼らに先着して連対を果たした。
「(2日目は)前よりも落ち着いて駆けられたし、徐々にS級に慣れてきたと思います。(どういうパターンが得意なのか)自分でもよくわかってないんですけど、逃げた時に決まっているなっていうのはあります。(グレードレースでの1着が)こんなに早く取れるとは思ってなかった。9、9、9着しちゃかと。S級の点数も取らなきゃいけないし、ちょっとずつ慣れていければと思っています。9車立ても初めてだったので難しさはありました。上のクラスの人と力が違うのもそうですけど、組み立て面も流れが早いですし、もっと考えて走らないとダメですね。今回は結果だけみればいいですけど、たまたま流れが良かっただけです。次の開催では、しっかり自力を出せるように底上げしたいです」