パワーあふれる深谷知
共同通信社杯の結果で多少は評価が変わってくるかもしれないが、ファンの支持を集めるのは、やはり3名のSS班だろう。前回73周年大会の覇者である松浦悠士は、オールスターの最終日に落車し、8月小田原記念を欠場。地元の山口拳矢は、なかなか波に乗り切れずにいる感がある。したがって、今年は年頭からコンスタントにパワフルな自力攻撃を披露している深谷知広が優勝に最も近いとみた。ウィナーズカップ、共同通信社杯で決勝に進出し、G1でも高松宮記念杯着は青龍賞を含み4勝をあげると、オールスターではシャイニングスター賞を制している。今年は地元静岡で行われるグランプリ連続出場に向けて更に賞金ランク上げたい。小原太樹、青野将大の神奈川勢との連係から勝機を見い出す。
昨年はダービーをはじめ8Vを達成した山口拳矢だが、今年はまだ優勝に手が届いていない。ダービーでは決勝に進出して前年覇者の意地を見せると、サマーナイトは着と優参。随所でらしさを見せているものの、G3で決勝を外す場所も目立っていて、成績はまとまっていない。しかしながら、当所では21年に共同通信社杯で優勝と、地元戦はめっぽう強い。ファンの熱い声援に応える快走を演じても不思議ではあるまい。川口聖二が山口とタッグを組む。7月豊橋でVをゲットすると、オールスターでは最終日に1勝をあげていて調子は良好。
昨年のグランプリチャンプ・松浦悠士も今年は落車負傷もあって、順調さを欠いている。3月玉野記念で優勝しているものの、ビッグレースで1回も決勝に乗れていないのは不本意だろう。調整能力の高さには定評があるので、開催中に調子を上げていくことも考えられるが、まずは初日の走りに注目したい。
今年は9年連続で維持していたSS班を手放した平原康多ながら、ダービーで初Vを達成し、SS班奪還に成功。その後も成績はまとまっていて、直近4カ月の競走得点は115点台に乗せている。オールスターは決勝を外したものの、シャイニングスター賞にコマを進めた。ここは坂井洋との連係が叶うようなら前を任せてチャンスを待つ。その坂井はオールスター着。二次予選で敗退したが、太田海と力勝負した結果でスピードは光っていた。好位キープして自力を出せれば好勝負に持ち込める。
波乱を呼べば山田庸平、北津留翼、瓜生崇智、山口敦也と駒数そろった九州勢か。中でも底力がある山田は侮れない。7月福井記念の準Vは、脇本雄の上がり10秒9の超速まくりに屈したとは言え、持ち味を遺憾なく発揮していたし、8月久留米では新田祐、松本貴らを相手に今年4V目をゲットしている。一枚岩になるかはメンバー構成次第だろうが、その動向からは目が離せない。