• 小松島ミッドナイトGⅢ2/17〜2/19

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 小松島 02/17

 実績断然の新田祐大であったが、決勝は中団併走から下げ切るタイミングが遅れたことがその後のレース展開に大きく響き、巻き返したものの2着。赤板過ぎからのスローペースは、7車立て独特のもので、対処に手間取ってしまった。もし、今後7車立てでのグレードレースが増加するのならば、トップ選手と言えど、対応が求められていく。

川口満宏

川口満宏

 川口満宏は、今年57歳にしてS級にカムバック。補充も含めて7場所走り、確定板入りが7回。今節の初日は、5番手から外を伸びて3着と、年齢を感させない走りで周囲を驚かせた。まだまだ元気なベテランは、虎視眈々と1着を狙っている。

 「久しぶりのS級だけど、スピード負けしてる感じは自分の中ではないんだよね。俺がちょっといない間に、すごいレベルが上がったけど、その中でもやれると思う。この前(1月久留米F1準決)も、根田(空史)君のダッシュに、3番手だったけど口が空きながらも食らい付けた。ダッシュでプチンと切れてるわけじゃないから、戦える感じはある。どこに行ってもS級最年長って言われるし、この歳でせっかく戻れたんだからまだ頑張りたいんだよね。練習はしっかりできているし、どっかで1着を取りたいね」

阿部英斗

阿部英斗

 125期の阿部英斗は、今回がグレードレース初参戦だった。周囲の注目もあったなかで、初日はすんなり先行させてもらえずに敗退。だが、2日目は突っ張り先行で別線を完封し、最終日は中川誠一郎から逃げ切り勝ちを決めた。初めて付いた中川は「(北津留)翼みたいな強さ。ダッシュも良いし、踏み直しもできる。特に、加速した時に伸びていく感じがすごいから、競輪選手向きの脚質」と、評した。伸びしろ豊かな新人は、これから経験を積んで憧れの舞台で戦っていく。

 「(最終日の逃げ切りは)びっくりです。(中川)誠一郎さんが勝った別府の全日本選抜は、本場で見ていたんです。出切れなかったらどうしようって緊張したけど、まさか逃げ切れるとは。初日の失敗を、最終日は返せたかな。僕と、(中石)湊は、ナショナルのジュニア時代に、新田(祐大)さんに育ててもらったと言っても過言じゃない。開催中の新田さんを初めて見て、すごい集中力だった。(最終日は)20時くらいからピリピリしてる感じがあって。ああいう姿勢も吸収したい。今回は、切って、切ってでカマシを封じられたし、別線が、走りながら僕のことを待っているのが見えた。警戒されてきたんでしょうね。自分の得意な形を封じられたし、先行のバリエーションを増やさないと。焦っても無駄だと思うし、今回で見えた課題を潰していきたい」

豊田美香

豊田美香

 豊田美香は、地元で3日間奮戦。「ここに向けて点数を上げてきた」と、地元戦に照準を合わせてきた成果が出た。決勝戦も、2着の太田りゆに6車身差を付けられるも、最後方からど根性で外々を踏み上げて確定板入りを果たした。昨年8月の落車からまだ本調子には戻っていないと言うだけに、これからが楽しみな存在だ。

 「児玉さんや、太田さんのスピードを体感できたことは良かったです。あのスピードは、G1じゃないとなかなか体験できないし、あれを目指していきたい。脚力自体はまだ戻り切ってないです。練習でも、前は男子選手に付いていけたのが、今は千切れている。まずはそこが戻れば。理想は、自力で動いて勝てる選手になりたいですし、自分で動いてあのスピードで戦えるようになりたいです」

児玉碧衣

児玉碧衣

 ガールズの優勝は、児玉碧衣。周回中は太田りゆの真後ろに位置するも「連日のレースを見ていて、抜ける自信がなかった」と、打鐘2センターで内を突いた好判断が光った。今年のスタートは2場所連続でV逸と、ガールズグランプリ後はなかなか気持ちの整理ができずに苦しんだ。まだ、完全復活とはいかないようだが、強敵を打ち破ってつかんこの優勝を、きっかけとしてほしい。

 「あのまま(太田の後ろで)構えていても、納得のいくレースはできなかった。体が勝手に動いてくれたんで良かったです。逆に、今は自分に期待していない分、ああいう動きができたのかな。前みたいな、勝たなきゃいけないっていう面がないので、気軽に臨めたからああやって動けたと思う。目の前のレースには集中して走れているし、あとは練習へのモチベーションが上がってくれれば。あんまり思い詰めてもしょうがないし、レース勘はちょっとずつ取り戻しつつあると思うので。気持ちが付いてくるかは難しいけど、プレッシャーをかけずにやっていきたいです」

ページトップへ