注目の2強対決

太田りゆ

児玉碧衣
ミッドナイトG3はガールズ戦でも注目のマッチアップが実現する。児玉碧衣と太田りゆ。両者の過去の対戦成績では児玉が大きくリードしているが、これまではほぼビッグレースに限られてきた。2強対決ムードの中でどういう決着が見られるかは大変興味深い。現状では太田がややリードか。ナショナルチームを卒業して競輪に専念するようになった太田は各地でスピードの違いを披露。8月以降は8回の完全優勝を飾っている。ここ2場所はVを逃していると言っても、敗因は明確で調子の問題ではない。事故点で組み立てが制約される点は、長い距離を踏まされてもいいようにと対策も進んでいて展開に左右されない強さも身に付けてきた。勝負所で迷わず仕掛けてライバルをねじ伏せる。
“ここまで何度も体調を崩したのは初めて”と昨年はG1のオールガールズを制する一方で苦しい一年を過ごした児玉。グランプリで受けた声援を励みに一歩ずつ好調時の感触を取り戻していっている。今年に入っての2戦の決勝はともに末の粘りを欠いて4着と復調途上にはあるが、力強い踏み込みが戻れば誰が相手でも怖くない。攻撃的な自力戦でグランプリ級の強敵を破り、4月から始まるガールズG1戦線へ弾みを付けたい。
優勝は昨年5月岸和田の1回だけの松井優佳ながら、自力自在戦で常にV争いに加わっている。太田と仲澤春香の激突に沸いた1月大宮の決勝も自力は出す余地はなかったが、太田のまくりを追って3着。さらに立ち回りの精度を上げられれば怖い存在と化す。
藤原春陽、豊田美香の地元コンビも決してノーマークにはできない。藤原は決勝の常連でレース運びが安定しているし、豊田は自力攻撃に鋭さを増していっている。タイプは違うが間隙を突いての一発は魅力的。
徹底先行の持ち味を崩さない石井貴子がレースを動かしていきそう。相変らずペースで駆けた時の末の粘りは驚異的だ。