ピックアップ GⅢ 小松島 07/03

松浦悠士
開催前は広島の松浦悠士がS級S班に選出されたことが話題になったが、結果を出したのは広島のニュースター西田優大。決勝戦の後は敢闘門で出迎えた松浦に「あんまり喜んでいない(笑)。もうちょっと感情を出して欲しい(笑)」というアドバイスがあったが、その冷静さこそが、西田の持ち味で27歳という年齢からも123期の新鋭というよりは、成熟している様子が伝わってきた。8月には初めてのオールスターG1初出場が決まっており、そこでの戦いにも注目したい。
松浦悠士は平原康多の電撃引退で7月から繰り上がりでS級S班に返り咲いた。7カ月ぶりに赤いレーサーパンツに足を通して、シリーズを戦い抜いた。後期の半年間〝赤パン〟が似合う男の完全復活に期待したい。
「前半をあんまり走っていない分、準決勝はレース勘が良くなかったです。(広島が改修中で)バンクがない分、レースを走らないと勘が戻ってこない。競輪でしっかり流れと選手の動きを感じないといけないですね。ローラーの感じは良かったけど、実走とフォームも違っている。高松宮記念杯に比べて上がった感じはあるけど、それが、赤パン効果のモチベーションなのか、わからないですね。今日(最終日)は1周を踏み切れていないですし、展開が向いた。いいように考えればしっかりとタテを出せたことだけ。(S班を)半年だけで終わらないようにしたいです」

佐藤慎太郎
佐藤慎太郎は1月の松阪記念の落車で骨盤骨折の重傷を負った。復帰してからも本調子とはいえないレースが続いたが、今シリーズの競走からは、明らかに状態が上向いており、戦っていける手応えをつかんだ。
「(感触は)半信半疑だったけど、また頑張ればやれるんじゃないかというのが確信に変わった。自分にとっては大きく、ターニングポイントになる開催ですね。ターニングポイントっていうのは、心の問題なんです。48歳で大怪我をして、このまま浮上できないと思うこともある。平原(康多)もやめているし、そろそろ弱くなるころじゃないかと、もう一人の(佐藤)慎太郎が言っている。でも、それを払しょくしてG1で勝ち負けできるように。G1を獲る気持ちでこれからもやっていきたいですね」

川口雄太
川口雄太は7131着で地元記念を終えたが、最終日の特別優秀戦では昨年の賞金王であり、GP王者の古性優作を相手に大金星を挙げた。様々な条件が重なったとはいえ、この1勝は大きな勝利で、今後の川口の活躍に期待を抱かせるものだった。
「落ち着いてめいっぱい行くだけでした。(桑原大志が)すごい仕事をしてくれていたのは影の動きでわかりました。自分は全開で行くだけでしたし、バックの追い風で運が味方してくれた。地元の声援も背中を押してくれましたね。特別優秀でこういうレースができても、地元記念で初日を勝ち上がることができなかったですし、今回はいろいろ経験を積むことができました。小松島記念は4年連続で走らせてもらったけど、徳島は選手のレベルが高いし、次はいつ走ることができるかわからない。でも、呼ばれた(あっ旋)時にはパワーアップをしていたい」

佐藤壮志
佐藤壮志は、今期が初のS級戦。シリーズ3日目にS級初勝利を挙げ、最終日は1着の片岡迪之と8分の1車輪差に詰め寄る2着に入ったが、出てきた言葉は反省の弁ばかり。この経験を糧に、成長につなげていく。
「(最終日は)2コーナーから行けないところがダメですね。後ろを連れ込めていないし、自分も1着まで届いていないですから。初めての記念で初めての9車立てでしたけど、全然ダメです。力も不足ですし、組み立てもダメ。自分の悪いところがわかった開催でしたし、勉強になりました。今回の2日目に弥彦記念の追加が入ったので、この経験は生かして初日にラインで勝ち上がれるように頑張りたい」