福島SSコンビが強力

新田祐大

山崎芳仁
ハイレベルなシリーズになりそうだが、新田祐大、山崎芳仁とSS2名を擁する福島勢に期待だ。新田は今年ここまで出場した全てのレースで決勝に進出。昨年までの爆発的な強さを維持したまま、安定感が出てきた。直前の玉野記念では関東、近畿、両ラインのやり合いを冷静に見極めると大外を豪快にまくって優勝。勝ち上がりでは先行も効果的に見せるなど、判断も的確だ。対照的に乗り切れない印象のある山崎だが、調子自体に問題はない。増えてきた番手戦がうまくかみ合っていないだけで、勝てる状態は常にキープしてるといっていいだろう。

浅井康太
福島勢の牙城を崩すなら浅井康太だ。優勝こそ2月奈良記念の一度だけだが、今年の勝率は6割超え。番手での上手さ、自力での強さはS級トップクラスの中でも際立っている。今シリーズは近畿勢との連係か、それとも自力か。いずれにせよ優勝争いの中心にいることは間違いない。

稲垣裕之
近畿勢の戦力も侮れない。自力は稲垣裕之、脇本雄太の強力2枚看板。この二人を稲川翔が強力に援護する。稲垣は全日本選抜での鎖骨骨折から、直前の玉野記念で復帰した。レース勘の問題こそあったが、復帰戦ならまずまずの走りだったように見える。一本走って感覚は取り戻せただろうし、ここまでにはさらに状態を上積みできる時間がある。脇本も不安要素はレース勘。松山記念の走りが判断材料になりそうだが、体調の不安はないならここも主導権さえ握れれば勝負になりそうだ。稲川は昨年末の落車にあっせん停止で今年は3月から実戦スタート。ダービーでも走るごとに感覚を戻していっている印象で、目標豊富なここもチャンスだ。

平原康多
平原康多の底力も軽視できない。全日本選抜の失格から奈良記念、ダービーの連続落車とややツキに見放されている感はあるが、大崩れしないのが平原の強さ。松山記念に出場するということはダービーの落車も大事には至らなかったのだろう。このメンバーを相手に勝てば再び流れを引き戻せるはずだ。木暮安由は3連対率8割と今年に入って絶好調。巧みな位置取りからフィニッシュのまくりまで一連の流れがしっかりと決まっている。飯嶋則之も派手さはないが抜群の安定感。ダービーで落車の影響さえなければ十分に戦える。
郡司浩平にとっては地元で真価が問われる一戦となる。1月和歌山で記念初優勝し、ダービーでは連勝でG1初の準決勝へ勝ち上がるなど、今年はこのまま大きく飛躍しそうな予感だ。相手機動型も強いが、松坂英司、勝瀬卓也ら地元勢の浮沈は郡司の走りにかかっている。
これだけ強力な機動型が集まれば中川誠一郎にも一発のチャンス。大塚健一郎、小倉竜二と遠征勢にも名のある追い込み型はそろっている。