新山響を軸に精鋭そろう

新山響平
ヤンググランプリ2016が立川グランプリシリーズの2日目、12月29日の最終第11レースに行われる。105、107、109回生から精鋭9名が選抜され、グランプリ同様に一発勝負で争われる。昨年覇者の野口大誠をはじめ、函館記念を制するなど、今年旋風を巻き起こした新山響平や、吉田拓矢らを中心に覇を争う。
普段のライン戦と違い、点のレースとなりそうな一戦。そのなかで最も注目を集めるのは新山響平だろう。4月のルーキーチャンピオンレースでは、番手まくりを放った吉田の上を力でねじ伏せ、107期の頂点に輝いた。7月函館では「たまたまだったので」と謙遜するも、逃げ切りで記念初優勝を達成。4日制の記念最速V記録を塗り替えた。さらに11月の競輪祭でG1初優出などその活躍は枚挙にいとまがない。ここも、持ち前のパワーとスピードで新たな称号を手にするか。
次位は吉田拓矢か。今年はF1戦を5Ⅴと、優勝回数は新山と並ぶ。G戦線でも9月の岐阜記念で茨城ワンツーを決めて武田豊樹の優勝に貢献。競輪祭では平原康多を決勝へ導くと同時に、自身も着と好走した。今やトップレーサーとして大舞台でも活躍。同期の新山にライバル心を燃やす。前記したルーキーチャンピオンレースのリベンジなるか。ルーキーチャンピオンレースでは吉田の前を回った鈴木竜士だが、「お互い悔いを残さないために」と、今回は別線勝負を選択。ダッシュ力は、新山、吉田にも引けを取らない。最近はレースが上手くなっており、一発の可能性も十分だ。
昨年覇者の野口大誠は「取鳥君の番手も考えているけど、自力でやるかもしれないし、最後の最後まで考えて」と、熟慮を重ねて連覇を狙う。もちろん、ここ1番での勝負強さは昨年で実証済みだし、経験がある分、今年は昨年以上にリラックスして挑める。状態も徐々に上がってきており、得意のまくりを本番で炸裂させる。
渡邉雄太も2度目の出場。親王牌では先行して2勝と、こちらも着実に成長を遂げている。昨年は元砂勇雪と主導権を争ったが、最後となる今年は優勝を狙うか。
茨城勢の出方を受けて、小笹隼人と畑段嵐士の京都勢も別で戦う可能性が高い。畑段は105期のルーキーチャンピオンで一発勝負に強い。ケガが良化していれば侮れない。取鳥雄吾もF1戦では決勝常連の機動型。神田龍も強力なライバルを相手に一矢報いたい。