主役は関東コンビ

平原康多
今年のベストナインが立川競輪場で激突。頂点を極めるのは果たして誰か。主役の座に最も近いのは平原康多、武田豊樹の関東ゴールデンコンビだ。今年の平原は落車禍に苦しみながらも高いパフォーマンスを発揮。11月の小倉競輪祭では圧巻のパフォーマンスでⅤ。抜群の勝負強さで4年連続7度目のグランプリ出場を決めた。昨年のグランプリは武田の番手を回って3着だったが、今年の両者の連係実績、走りを考えれば平原が前と考えるのが自然か。総力戦でGP初制覇に挑む。武田も今年は思うような結果を残せなかったが、競輪祭の準Vで最後のグランプリシートに滑り込んだ。平原と息の合った連係プレーで魅せる。
新田祐大、渡邉一成の福島コンビも互角の争い。新田はスピードとダッシュ力に絶対の自信を持っている。純粋な脚力は輪界№1だろう。圧倒的な爆発力で今年の競輪界をリードしてきた。5月名古屋の高松宮記念杯で3度目のタイトルを獲得。今年のビッグレースで決勝を逃したのは7月川崎サマーナイトフェスティバルだけ。競輪祭でも危なげない走りで勝ち上がった。心技体は充実。名実ともに頂点に立つときが来た。渡邉は今年8月のリオデジャネイロオリンピックに出場したアスリート。競技の第一人者であり、世界の舞台で磨いたダッシュ力はケタ違いだ。2月の全日本選抜で新田の番手回りからGⅠ初タイトルを獲得。ラストの大一番でその再現を狙う。
浅井康太は昨年のグランプリ覇者。今年はG1優勝こそなかったが、サマーナイトフェスティバルでV。記念優勝は6回とハイアベレージを残した。競輪祭で落車したが、ラストの大一番にはきっちり間に合わせてくる。今年のグランプリも中部はひとり。昨年同様、単騎で変幻自在に攻める。
村上義弘、稲垣裕之の近畿コンビも強力だ。村上は競輪界のカリスマとして君臨。今年は3月名古屋で通算4度目のダービー制覇。42歳を迎えても脚力はまだまだ健在だ。稲垣は10月前橋の寛仁親王牌で悲願のGⅠ初制覇を成し遂げた。競輪祭でも決勝3着で表彰台に上がるなど好調を持続している。昨年のグランプリ同様、稲垣が主導権を奪えば、村上に勝機到来だ。
中川誠一郎は4月の静岡ダービーでG1初制覇。そして8月にリオデジャネイロオリンピックに出場するなど今年は激動の1年だった。一発の破壊力ならまったく見劣りしない。初出場のグランプリで力の出し惜しみはしない。
岩津裕介は9月の松戸オールスターで悲願のG1初優勝。機動型の手薄な中四国勢のなかで奮闘している。キメ脚の鋭さは天下一品だ。初のグランプリでどの位置を回るのか。地区的には中川の番手の可能性が高そうだが、近畿の後位や単騎戦も考えられる。岩津の動向がレースの重要な鍵になりそうだ。