前回覇者の浅井康太が主役
昨年の当地記念の覇者でもある浅井康太が強い気持ちで主役の座を全うする。昨年はG1で結果を残せなかったが、驚異の記念6Ⅴに、G2のサマーナイトフェスティバルを制覇とまさに年間を通して高いパフォーマンスを披露した。究極のオールラウンダーとして完成の域に近づいている。年末の立川グランプリ3着の悔しさを胸に、17年はさらなる進化を遂げる。初戦の和歌山記念ではソツなく立ち回ってオール連対で決勝進出を果たしたし、ここも流れにしっかり対応して大会連覇に突き進む。
地元四国勢は原田研太朗が引っ張る。昨年は一段とスケールアップ。12月広島記念では強豪を破って価値のある優勝を飾った。17年はここから始動。輪界屈指の爆発力で好スタートを決める。渡部哲男、濱田浩司の地元勢は原田が頼みの綱だ。渡部は広島記念で優出するなど調子は上向き。12年ぶり2度目の地元記念制覇へ、万全の状態に仕上げて臨む。濱田は昨年の1年間で追い込み選手としてランクを上げた。まずは09年から遠ざかっている地元記念の決勝進出へ全力を傾ける。
一撃の破壊力なら中川誠一郎だろう。昨年は熊本地震、5月の静岡ダービー制覇、そしてリオ五輪出場と激動の1年を過ごした。単騎で挑んだ初のグランプリは最後方で見せ場なく敗れたが、心機一転、和歌山記念を優勝。決勝は、村上義が率いる近畿勢と浅井の激しいやり合いを見極めると、直線大外を怒涛のまくり追い込みで突き抜けてSS班として新たな戦いを最高の形でスタートさせた。合志正臣は小倉競輪祭で敗者戦ながら3連対をマーク。好調時の切れが戻ってきた。
岩津裕介も新年初戦の立川記念は北津留翼と組んで準Vと同じくSS班としての一年を納得のレースで始動。その後は、昨年8月松戸オールスターでのG1初制覇の祝勝会も開きを気持ちも一層入っただろう。鋭いキメ脚でV争いにからむ。岩津の前で戦うことも予想される松浦悠士も12月地元広島記念で決勝に進出し、1月和歌山記念での復興支援レースを勝利と近況良好。今シリーズも総力戦で強豪に挑む。
近藤隆司、中村浩士の千葉コンビを軸に、渡邉晴智らも控える南関勢も侮れない。近藤は小倉競輪祭で2度目のG1優出。まくりの破壊力に一段と磨きがかかっている。中村は差し脚堅調。連係実績豊富な近藤を目標に勝機を見出す。
復調気配の山崎芳仁も軽視できない。佐藤慎太郎らと組み、好相性を誇る松山で17年の初戦を迎える。
鎖骨骨折から11月に復帰の稲川翔も一戦ごとにリズムを回復している。近畿の機動型はやや手薄となったが、タテヨコしっかりした走りで活路を見出す。
さらに、太田竜馬、竹内翼の109期勢に、107期の取鳥雄吾と熾烈な出世争いを演じる若手機動型の走りからも目が離せない。