機動力上位の稲毛健

稲毛健太
脚力伯仲の混戦だが、機動力一枚上の稲毛健太が主役の座には最も近いか。最後に優勝したのが15年8月の熊本と意外とⅤとは縁遠いものの、10月親王牌二予で深谷知ら相手にカマシを決めての逃げ切り勝ちがあったスピードはやはり図抜けている。近況も今年初戦の和歌山記念こそ勝ち上がれなかったが、その後は1周半のロングまくりで河村雅らをねじ伏せた1月奈良準決など好走続き。伊藤成紀、神田紘輔の大阪勢が味方に付けばライン的にも強力で、久々のⅤに手が届くか。伊藤は1月豊橋の落車が気掛かりも、その前の和歌山記念1着の走りから完調なら逆転Ⅴは互角か。
年末年始の落車続きはマイナス材料だが、山賀雅仁の底力が侮れない。怪我明けの2戦はさすがに動きが重いが、戦える状態にはある。ここまでに上積みもあるだろうし、4日制の1月静岡2着などまくりがポンポン決まっていて波に乗る吉川誠が優参なら、両者で組んで一策ありそう。
矢野昌彦、磯田旭、河野通孝の栃茨勢と山田義彦―武藤龍生の埼玉勢でライン2分となっても、関東勢もⅤ候補の一角として目が離せない。特に警戒したいのは強力な援軍を得た矢野だろう。近況はやや不安定ながら、万全で走れた時の動きは好調時のそれに近い。また、1月平記念で2勝など自在に攻める山田も一発が怖い。
2月奈良記念で2勝と特進はダテでないところを見せる不破将登、さらに久米康平、荻原尚人のタテ攻撃も侮れない。