近畿勢がリードも激戦
激戦ムードだが、総合力で近畿勢が一歩リード。中でも、Vに一番近いのは稲垣裕之だ。今年はVこそないが、全日本、宮杯を優出など最前線で安定感を発揮。親王牌は準決勝で涙を飲むも、初日は脇本雄を献身的に援護して3着。二次予選は古性優の難しい仕掛けに付け切ると、最後は追い込んで白星。動きそのものは悪くなかった。近況は番手を回るレースが増えたが、親王牌の最終日に根田空を突っ張って先行するなど、自力も健在。ここはダービー王の三谷竜生を目標に今年初Vを狙う。その三谷は、7月福井記念で落車。9月向日町記念で復帰を果たすも、本調子とは言えず。しかし、親王牌では竹内雄作を豪快にまくり初日の特別選抜予選を制すなど、復調の兆しが見えてた。3番手も上がり調子な村上博幸が固める強力布陣。息の合った連係で上位独占を決める。
関東勢も侮れない。オールスターの落車で骨盤を骨折した武田豊樹は、復帰戦となった親王牌を着。しかし、続く熊本記念では吉澤純、山岸佳太との連係から決勝に駒を進めるなど状態を着実に上げてきている。賞金でのGP出場も視界良好なだけに、きっちり勝機をものにしよう。吉田拓矢は、宮杯でG1を初優出。親王牌も着で3勝をマークと、次世代のスター候補として結果を出している。ここに熊本記念で落車した佐藤悦夫まで加われば、本線にも十分対抗できる勢力だ。
中部勢はホームの竹内が軸。共同杯から“らしさ“を発揮できずにいるが、「大垣(記念)があるから、そこに向けて試しながらやっています」と大事な地元戦に照準を合わせている。試行錯誤の成果を当所で発揮して、記念初優勝を地元で飾ろう。ガッツマーカー近藤龍徳や、北野武史が後位でサポートする。竹内と同じくホームの吉村和之も意地を見せたい。
中四国勢は原田研太朗がけん引。親王牌こそ精彩を欠いたが、それは新車に換えた影響なだけ。同じフレームで臨んだ千葉記念も1勝に甘んじるも、「感覚は悪くなかった」と徐々に手ごたえをつかみだしている。ここまでにレース間隔も空くので、道具の不安も解消してくるだろう。渡部哲男、香川雄介ら強力援護陣が控える。
南関勢は郡司浩平に、根田空史と強力機動型が2枚。郡司は平塚GP出場に向けて、少しでも賞金を上乗せしたいところ。気迫のレースを見せる。根田は競技の練習を取り入れて着実にレベルアップしている。9月岐阜記念を制した成清貴之は、目標豊富でチャンスのシリーズだ。
山崎芳仁、佐藤慎太郎、小松崎大地らの福島勢や、親王牌で着と好走した坂本亮馬が率いる九州勢も軽視できない。