V発進決めるか平原康

平原康多
昨年は2月取手で全日本選抜を制覇。5年連続のグランプリ出場を早々と決定すると共に、G1タイトル獲得数を7まで伸ばした平原康多。その後も持ち味である攻撃的な競走で高いレベルで安定した成績を残していて、競輪界を代表するオールラウンダーの称号を欲しいままにしている。グランプリの激闘直後の開催だけに、精神的には一息入れたいところながら、この後には地元の大宮記念が控えており、緊張感はキープしているはず。他の自力型に威圧感を与える強気の自力攻撃で別線を粉砕。62周年大会以来となる2度目の当所記念Vで、新年の好スタートを決める。

浅井康太

金子貴志
平原と対峙するもう一人のSS班は浅井康太だ。サマーナイトフェスティバルをはじめとして、7Vを達成した一昨年とは対照的に昨年は優勝はゼロ。だが、獲得賞金ランク第5位で7年連続のグランプリ出場を決めた。全日本選抜、ダービー、オールスター、親王牌と4つのG1で決勝進出を果たしていて、安定感なら平原に引けを取らない。今節は中部の機動型が少なく、自力で戦う競走が多くなりそうだ。浅井とタッグを組む金子貴志は、昨年は後半戦に入り調子を上げてきた。10月親王牌着、11月競輪祭着とG1大会で連続優参。浅井の仕掛け次第では交わしてのV奪取もありうる。

稲垣裕之
今年はSS班の座を明け渡した稲垣裕之だが、機動力を活かした強気の攻めに変化は見られないし、グレードレースが主戦場で約3割の単率も決して悪い数字ではない。だが、競輪祭の最終日に落車し、12月伊東記念を欠場しているので、体調には一抹の不安が残る。体調に問題がなければ平原や浅井に土を付けても不思議ではない実力者だけに、出走の際には初日の動きに注目したい。
新山響平、山崎芳仁の北日本コンビも好勝負が見込める。まだ成績には波がある新山ながら随所で見せるスピードは一級品だ。山崎は番手の競走では甘さを露呈する場面も散見するが、一撃の破壊力は健在で、新山が先制して番手無風なら首位に躍り出る可能性もある。
他にも十分に優勝が狙える実力者がそろっている。昨年の当大会を制している北津留翼に魅力を感じる。競輪祭準Vとスピードには素晴らしいものがあるだけに、仕掛けがツボにはまると並みいる強豪を撃破しても不思議ではない。また、追加配分ではあるものの小倉竜二は、阿竹智史、小川真太郎と同県の機動型と息を合わせれば十分にチャンスがある。
地元勢は当所ホームの河村雅章をはじめ、朝倉佳弘、岡田征陽らが参戦する。個の力では劣勢の感があるのはいなめないものの、平原との連係が叶うようなら上位進出も考えられる。地元の意地を見せたいところだ。