実力者そろった近畿勢
近畿地区の記念開催らしく、今シリーズの近畿勢は強豪がズラリとそろっている。近畿勢を束めるのは村上義弘だ。昨年は落車負傷の影響でなかなか体調が整わず、残念ながらグランプリ出場を果たせなかった村上だが、対戦相手に威圧感を与える「魂の走り」に変わりは見られない。さすがに若手に前を任せる競走が多くなっているが、番手を回った時の安定感ある捌きにも定評がある。徐々に体調も上向いているだけに当所記念初Vは有望だ。三谷竜生は京王閣ダービーを制してタイトルホルダーの仲間入りを果たした。その後は落車もあって成績には波があるものの、強気な自力攻撃で存在感を示している。グランプリに向けて仕上げた脚が残っているはずで、タイミングよく仕掛けて主導権を握れば押し切りも。地元勢は椎木尾拓哉、東口善朋らが名を連ねる。中でも高いレベルで成績をまとめている椎木尾は優勝の有力候補に挙げられる。昨年は親王牌でG1初優参を果たすと、競輪祭は二予で敗退も着と安定プレーを演じた。記念開催でもコンスタントに決勝に乗っていて、地力強化されたのは疑う余地はない。好展開が巡ってくればものにできる状態にある。東口は12月広島で17年3V目を飾ったが、気迫を感じさせる好レースだった。
当所記念で一年を始動し好実績を残してきたのが武田豊樹だ。61、63、65周年と3Vを達成している。武田にとってはドル箱バンクと言っても過言ではないだけに、問題なのは体調面だろう。オールスターで落車し親王牌から復帰したが、チャンスをものにできないレースも見られるように、なかなか本調子を取り戻せずにいる。昨年前半戦のような脚勢に戻れば大会4V目を奪取する可能性も大いにあるが…。武田とタッグを組む諸橋愛は、グランプリ初出場を果たすなど昨年は大活躍。差し脚に一段と磨きがかかっただけに、好位確保に成功すれば首位に躍り出ても不思議ではない。
12月広島記念で好気合を見せた原田研太朗も侮れない。地元が付いていたとは言え、普段よりもはるかに早い仕掛けで主導権を握る競走を演じていた。ここも積極的な走りに徹するようだと台風の目と化すことも。12月広島記念着、惜しくも地元記念Vは逃がした池田良だが、連日の伸びは申し分なかった。ここも原田との連係が叶えば上位進出も望める。
昨年の後半戦は落車もあって尻すぼみに終わった郡司浩平。しかしながら、当所は66周年大会で記念初制覇を達成した思い出のバンク。調子に上積みがあるようなら優勝争いを賑わす。成清貴之は差し脚好調だ。12月は平着、千葉も着と、F1開催とは言えオール連対。位置次第で連食い込みも。
昨年大会覇者の中川誠一郎も気力、体調が戻れば一発怖い。