近畿勢が強力布陣
そろった近畿勢が優勝争いをリードする。なかでも注目は南潤だ。まだチャレンジだった9月武雄から18連勝で一気にS級まで駆け上がると、記念デビューとなった1月和歌山でいきなり優出。2月別府では逃げ切りでS級初優勝も飾っている。ここで優勝ならデビューから10カ月足らずで4日制のG3を制覇する最速記録となる。舞台は2年前に新山響平が記録を塗り替えた函館競輪場。メンバー的にも大いに期待できそうだ。山本伸一は昨年1年間試行錯誤したことが、昨年後半からようやく結果として表れはじめた。勝ち星こそ少ないが、レース運びは積極的でメンバー次第では南の番手回りもありそうだ。南、山本と近畿の機動型がそろったのなら中野彰人にもチャンスだ。すっかり追い込みが板につき、2月和歌山では石塚輪の番手で優勝と勝負強さもある。もちろん調子を戻した布居寛幸にも条件は同じだ。
鈴木庸之、稲村成浩の上越勢も魅力だ。鈴木は1月前橋で山田久、近藤隆らを破って優勝するなどカマシ、まくりの威力は健在。暖かくなり練習の感じやタイムも上がっているはずで、ここも出足を生かす勝ちパターンで優勝争いに加わるか。稲村も2月立川で鈴木謙マークから鋭く伸びて優勝するなど差し脚は好調。鈴木とは過去に連係実績も多く、相性もいいだけに期待できそうだ。
北日本勢をリードするのは根本哲吏だ。昨年は3月に鎖骨を骨折した影響が長引いたが、今年に入って復調一途。冬季移動先の京王閣で体のケアに時間をかけたことでバランスが戻ってきた。3月川崎からは3場所連続で優出するなど、自力での力強さが戻っている。同様に2月平から3連続優出と、調子を上げていた佐々木雄一だが直前の4月福井で落車した影響が気がかり。まずは初日の走りで状態を判断したい。
戦い方に迷いのなくなった川口公太朗は成績も上昇。今年に入ってからは優出も増えている。点数的には大きな差がないメンバー。3月小松島に続くG3ファイナルもありそうだ。吉村和之、岩本和也の追い込み陣も悪くはない。川口、そして近畿にも機動型がそろった今シリーズは大いにチャンスがありそうだ。
その一方で、中四国、九州勢は湊聖二、室井健一に小岩大介、西川親幸と追い込み型はそろっているが、上位で戦えそうな機動型が手薄。苦戦を強いられそうだが点数最上位の湊はまくりの決まり手があるだけに動向に注目したい。
南関勢は上位に目標不在。しかし、加賀山淳あたりが奮起すれば、望月永悟、大塚英伸らにチャンスが生まれる。