豪華メンバーの激突
好メンバーがそろったシリーズだが、先のウィナーズカップ決勝でもワンツーを決めた平原康多、武田豊樹の関東SSコンビが中心だ。平原はウィナーズカップが名古屋記念での落車明けのシリーズだったが、日を追うごとに感覚を取り戻していた。ここまでには配分間隔も十分にあり、さらに上積みしてくるだろう。当所記念は毎年のように決勝に勝ち上がっているが、60周年記念以来、優勝からは遠ざかっている。今年こその思いは強いだろう。ウィナーズカップで平原を交わして優勝したのは武田だ。これが昨年8月オールスターの骨盤骨折から復帰後初優勝。復帰直後は一進一退の状況が続いたが、年明けからは着実に調子を戻している。1月和歌山記念の失格で5月のあっせんがない武田にとっては今回が欠場前の最終戦。しっかり結果を残したい。関東勢では木暮安由の存在も忘れてはならない。ウィナーズカップでは一予敗退も、その後3日で2連対。3日目は奇襲の先行策に出るなど、前々に攻めるレースは健在だ。
しかし、今シリーズは近畿、中部勢がとにかく強力だ。近畿勢ではS班、三谷竜生が絶好調。2月高松で記念初優勝を飾ると、その後も奈良、玉野と立て続けに記念を制覇。昨年7月福井記念の落車から復帰後は勝ちきれないレースが続いたが、ようやくかみ合ってきた感じだ。3連勝で優出したウィナーズカップでも初日に平原を破っている。稲垣裕之は3月小倉で落車した影響が気がかり。ここを休めばぶっつけ本番でダービーになるだけに、走れる状態なら出場してくるだろう。まずは初日の走りで状態を判断したい。三谷、稲垣とスジの目標が豊富な村上博幸にもチャンスはある。11月大垣、12月広島と立て続けに記念を制すなど差し脚は好調。ラインの援護役としても近畿勢にとって欠かせない存在だ。
中部勢もS班の浅井康太に吉田敏洋、金子貴志と豪華メンバー。浅井は年頭から座骨の痛みに悩まされていたが、2月の全日本選抜を終えたあたりからようやく痛みから解放された。今はダービーに向けて土台から作り直して最中だが、その過程でもウィナーズカップで優出している。上向いていることは明らかだ。吉田は全日本選抜の落車の影響をまったく感じさせない復帰後の走り。ここに金子が加わればさらにラインの厚みは増す。
北日本勢は新山響平が勝ち上がってくれば他地区と好勝負に持ち込めそう。追い込み陣は成田和也、和田圭とそろっているし、ともに調子も良好。それだけに新山のデキが浮沈の鍵を握るだろう。
中四国勢では小川真太郎に勢いがある。3月平塚では吉澤純らを破って優勝。S班の桑原大志にとっても頼もしい目標だ。
前年度覇者の松谷秀幸は連覇を狙えるデキ。2月奈良記念でもシリーズ3勝と自力自在にフィニッシュの精度も高い。