• 西武園競輪場開設68周年記念ゴールド・ウイング賞4/19〜4/22

後記 GⅢ 西武園 04/19

仰天の記念初V‼

和田圭

和田圭

 レースを支配した新山響平ラインの3番手から和田圭が突き抜けV。うれしい記念初優勝を飾った。

 記念とは思えぬほどの“超”がつく豪華なメンバー。9人のなかでただひとり、グレードレース優勝経験がなかった和田が、あっと驚く3番手突き抜けで記念初V。大番狂わせを演じた。
 「俺だけでしょ、獲ってないのは(笑)」。メンバーが出そろった決勝前日に、こう口を開いた和田に気負いはなかった。今シリーズの動きが光っていた新山に、番手は数々の修羅場をくぐり抜けてきた成田。和田は迷わず3番手でチャンスを待った。
 「ラインのみんなでいいレースができればっていうのがあった」
 逃げる新山の掛かりがいい。迫る三谷を張りながら、和田が外に持ち出して直線勝負。番手でもがく成田をよそに先頭でゴールした和田が、拳を突き上げた。
 「成田さんを後ろから抜いたのは初めてじゃないですか。うれしいですね。それでもまさか突き抜けるとは。3番手だから、もう前を抜くしかないじゃないですか」
 在校45位もデビューからセンスが光っていた。1年半でS級レーサーの仲間入りを果たし、その後は追い込みに転向。8度目の記念決勝で、優勝をつかんだ。
 「100回のうちの1回が来ましたね(笑)。あそこ(3番手)が定位置なんで、そこを極めます」
 無欲の3番手から大物食い。東北の“ミスター伏兵”に遅き春が訪れた。
 三谷に乗った井上が、直線でコースを探して伸びるも2着まで。
 「突っ込んだ時に1回、ちゅうちょしている。ワンポイント早く行っていれば…」
 外の平原にかぶっていた新山だったが、一瞬空いた隙を突いて反撃。主導権を奪い、和田の記念初Vに貢献して、3着に粘り込んだ。
 「平原さんの車輪が見えたんですけど、(外が)空いていると思って出て行った」
 新山の番手で願ってもないチャンスが訪れた成田だったが、新山を交わせず伸びを欠いた。
 「新山はよく行った。うまかったですね。自分は力不足です」
 「まったく読み違いでした」の平原は脚を余して終わった。
 「8番手に置かれたことがダメじゃない。そのあとに踏めれば…。この悔しい気持ちを維持して、ダービーの大きいところで」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 茂木和臣

 ゆっくりとしたスタートから浅井が誘導員を追い、周回は浅井-吉田-新山-成田-和田-平原-芦澤-三谷-井上の並び。 青板バックから上昇した三谷は新山にフタをして打鐘から前に出る。平原がやや踏み遅れてスペースが空くと、そこをこじ開けて新山が踏み込み4コーナーから主導権。平原はまさかの8番手で最終ホームを通過する。車間を詰めた勢いで浅井が2コーナーまくりに出るが、4番手から三谷に合わせて出られ不発に。三谷も出がひと息で1車出たところで止まってしまう。これで番手絶好になった成田だが粘る新山を交わせず。3番手から和田が鋭く突き抜けて記念初優勝を飾る。2着は三谷後位から成田と和田の中を割った井上、3着には逃げた新山が粘った。

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