豪華メンバーの競演
昨年に続き、ナイターでの記念シリーズに強豪が顔をそろえた。V争いをリードするのは昨年末の大一番を制した浅井康太だ。今年の序盤戦はインフルエンザや座骨神経痛など体調不良に苦しんだが、2月松山のウィナーズカップでは乗り込んだ成果を出し、着で決勝進出。本来のリズムを完全に取り戻している。ここは輪界屈指のオールラウンダーとして、きっちり実力を示す。
役者がそろった南関勢は力を合わせて他地区の強豪を迎え撃つ。郡司浩平は昨年の桜花賞を制している。今年に入って落車が2回。流れに乗れていないが、地元記念、そして5月の平塚ダービーへ懸命に立て直しを図っている。地元エースとして、このタイトルは譲れない。状態面の不安は気力でカバーする。松谷秀幸は2月奈良記念で惜しくも決勝進出を逃したが、準決勝以外は3勝と存在感を示した。山中秀将は全日本選抜、ウィナーズカップで3度の確定板入り。トップスピードの切れは輪界屈指だ。今シリーズは地元勢の前で一肌脱ぐかもしれない。
原田研太朗、香川雄介の四国勢も強力だ。原田は全日本選抜、ウィナーズカップで決勝に進出。最近はバックを取るレースが増えたように、自信を持って踏めている。勝ちパターンに持ち込んだ時の破壊力はケタ違いだ。香川もまたウィナーズカップでは08年以来となるビッグ優出と、差し脚は切れている。
武田豊樹は骨盤骨折の大ケガを乗り越え、ウィナーズカップで15年11月競輪祭以来のビッグVを果たした。決勝は平原康多のまくりを猛追して逆転。その平原が欠場したのは痛いが、底力を見せつける。
早坂秀悟、佐藤慎太郎の北日本勢も侮れない。早坂は昨年12月の伊東で記念初制覇。今年に入っても1月松阪、2月奈良と記念で連続優出するなど、好調を維持している。自慢のダッシュを利かした攻めを貫く。佐藤慎太郎は鋭い決め脚で安定した成績を残している。
S班の桑原大志も意地を見せたい。今年はまだ優出がないが、3月名古屋記念では2勝を挙げるなど、しぶとさを発揮している。四国の機動型やウィナーズカップでも連係あった取鳥雄吾を目標に、手堅く勝ち上がる。
レース巧者の松岡貴久に、大塚健一郎の九州勢も軽視は禁物。