スピード戻った鈴木謙
鈴木謙太郎、池田勇人と自力がそろった関東勢が中心だ。鈴木は今年に入って完全復活。4月高知、6月立川とF1戦を制し、今年ここまで26勝はS級トップだ。6月富山の決勝で落車し、続く小松島記念では一次予選で9着大敗を喫したが、これは落車というより雨走路に対する恐怖心が影響したため。2日目以降は着と立て直し、直前の7月小倉でも連勝で決勝に勝ち上がった。オールスター出場メンバーが不在の今シリーズは10年千葉以来、約8年ぶりのG3優勝へ絶好のチャンスだ。池田も「来る前にかみ合った気がした」と話す7月小松島記念で天田裕のまくりを交わして初日特選を制すなどタテ攻撃好調。自力でも十分に優勝を狙えるメンバーだが、鈴木とともに勝ち上がれば6月富山の決勝同様に目標にできる。岡光良は5月に連続落車があったとは思えない安定感。6月宇都宮記念で優出するなどレース運びは堅実で、鈴木、池田と関東の機動型がそろった今シリーズも上位進出のチャンスだ。
迎え撃つ南関勢は地元の東龍之介が中心になる。東は昨年8月のアーバンナイトカーニバルにも出場したが、二次予選の落車で途中欠場している。今回はそれ以来、1年ぶりの地元戦なら気合も入っているだろう。直近の競走得点は出場メンバーで最上位。まだ地元ではG3の優出がないだけに、今年こそはの思いは強いはずだ。そんな東にとって頼もしいのは堀内俊介、簗田一輝の存在だ。上位陣の実力が拮抗した今シリーズはともに活躍が期待できそう。特に簗田は5月名古屋の記念初優出から6月は奈良、当所と連続で完全優勝と一気にブレイクした。東の他にも松坂英司、成田健児と力のある追い込み型は多く、大挙して勝ち上がれれば強固なラインが作れそうだ。
九州勢も優勝を狙えるメンバーがそろった。荒井崇博は7月高松で落車の影響が気がかりだが、2勝を挙げた4月武雄記念あたりから調子を戻していた。山田庸平、佐藤幸治と九州には自力タイプが多いのも強調材料だ。山田は6月武雄で外国勢を破って優勝。佐藤も6月函館で待望のS級初優勝を飾るなど、ともに調子がいい。大坪功一も荒井と条件は同じ。差し脚は好調で2年ぶりのG3優出も十分にある。
関東、南関に九州がシリーズの3大勢力になりそうだが、中西大、松岡篤哉に久米康平と、その他の地区にもそれぞれ軸になる機動型はいる。中西は7月高松で落車の怪我が不安視されるが、出場ならシリーズ随一の先行型。松岡、久米も松岡は福井、久米は小松島で記念の準決勝に勝ち上がるなど状態はまずまずだ。
追い込み型では西岡正一、林巨人に佐々木雄一が争覇級。西岡はF1でコンスタントに優出するなどレース堅実。林も一時のスランプを脱して上向きだ。