荒井崇が2年ぶりの美酒
最近は優勝から遠ざかっていた荒井。それでも、ここ一番の勝負強さは健在だった。チャンスを逃さずに14回目のG3優勝。レース後は、荒井らしく豪快に勝利を喜んだ。
「最近は優勝が少なくなっているけど、今回は勝てて良かった。(G3の優勝は)14回目だね。キリが良いから、あと1本獲りたい。(中川)誠一郎を抜けばいいんでしょ(笑)」
打鐘の4コーナーからカマした佐藤が最終バックで池田を捕らえる。この仕掛けに続いた荒井は、冷静に別線の動きを見極めた。「誰も来なければ大坪さんもいるし、ギリギリにいこうと」。しかし、岡の動きを確認すると、一気に踏み込む。きっちりと勝機をモノにして約2年ぶりのG3優勝を果たした。
「(巻き返した佐藤は)もうワンテンポ待っても良かったね。そしたら、良い勝負ができたと思う。3番(岡)がチラチラ見えて。あそこまで行ってくれたし、絶対に獲らないといけないと思った。決勝だし、ごめんと思って。でも、(佐藤)幸治も3着に残ってくれて良かった」
松戸に続き、またしても九州勢がG3を制覇。中川、荒井と九州のキーマン達が、輪界に再び九州の風を吹かせる。
「九州が良くなってきている。今後も、九州のみんなで盛り上げて頑張りたい」
目標が上を行かれた岡は、2センターで大坪をけん制。直線で伸びるも、荒井に及ばずの2着。それでも、正規あっせんでは初のG1となる競輪祭の出場権利を手に入れた。
「池田君のおかげです。良いところで行ってくれました。佐藤君を止めないとどうにもならないと思ったけど、止められない感じでした。ちゃんと権利を取って競輪祭に出られるんで良かったです」
初めてのG3決勝に臨んだ佐藤。優勝こそならなかったが、ラインの先頭で持てる力を全て出し切った。
「ちょっと焦って早めに踏んじゃいましたね。もうワンテンポ、待ってもよかったかもしれない。でも、しっかり出切らないとダメですから。最後は夢をみたけど、次につながるいい競走はできました」
地元の佐々木は打鐘の4コーナーで池田と接触して車体故障。悔しい結果に終わった。
「これがS級の厳しいところですね。甘かったと思います。もっと力をつけて、また走れるように」