新山響が地元で躍動
新山響平にとっては負けられないシリーズだ。オールスターの走りを見るかぎり、S班をはじめ強敵が相手でも好成績が期待できそう。9月高知の共同通信社杯は一次予選で敗退したものの、4日間すべてバックを取るなど内容は悪くなかった。3年連続の地元記念参戦。ファイナル進出を果たした昨年大会は先行して深谷知広と力勝負を演じた。ホームのアドバンテージを生かして4日間を戦い抜く。同じく地元の高橋陽介も練習中の肩鎖関節脱臼から復調一途。新山とタッグを組んで、高谷雅彦以来18年ぶりとなる地元記念制覇を狙う。8年前に当地記念制覇の実績がある佐藤友和も底力発揮なら怖い。追加参戦の大槻寛徳、守澤太志にベテランの齋藤登志信もラインをしっかり固める。
原田研太朗のパワーも見逃せない。オールスター、共同通信社杯と大きな数字を並べたが、状態自体は悪くない。展開に泣かされた部分も大きかったはずで、むしろフレームを戻して3連勝した8月立川のスピードが原田本来のものだ。阿竹智史は7月当所での落車で鎖骨、ろっ骨を骨折して2カ月の欠場。共同通信社杯で実戦復帰も、まだ完調には程遠い。一方、渡部哲男は鋭いキメ脚で好調を維持している。徳島コンビと呼応して、優勝争いに加わってくるだろう。桑原大志は9月岐阜でうれしい記念初優勝。今シリーズもS班の意地を見せる。
注目は、オールスターでG1初出場、初優出を決めた山崎賢人。それがフロックでないことを共同通信社杯1114着の走りで早速証明してみせた。デビュー最速でのビッグVは果たせなかったが、思い切った仕掛けが決まれば面白い。
南関勢はセッティングを変えて臨んだオールスターで動きのよかった根田空史が中心。追加の渡邉雄太と機動型2枚で他地区に抵抗する。渡邉晴智、山賀雅仁と後ろを固める追い込み陣も充実している。
関東勢は吉田拓矢がけん引。新山との同期ライバル対決に注目が集まる。差し脚シャープな芦澤辰弘も流れが向けば勝ち負けできる。
川村晃司、林巨人ら中近勢も忘れてはならない。