近畿勢が強力布陣
三谷竜生、稲垣裕之に追加参戦の藤木裕と機動型がそろった近畿勢が優勝争いをリードする。三谷はグランプリを前に、これが最後の実戦。まくり不発に終わった昨年のグランプリの悔しさをバネに、今年は昨年以上の成績を残した。2月高松の初優勝から記念を3連覇し、ダービー、高松宮記念杯とG1連覇も飾った。村上博幸、清水裕友とグランプリメンバーが続々と欠場するなか、参戦を決めたのは実戦の感覚を鈍らせないために他ならない。ここでしっかりと結果を残して暮れの大一番に向かう。稲垣は3月小倉での落車からかみ合わない状態が続いていたが、10月豊橋記念で優出すると、続く取手記念でも2勝を挙げるなど徐々に立て直してきている。三谷、藤木に中西大と今シリーズは前を任せる頼もしい後輩がそろったチャンスのあるシリーズ。ここを制して完全復活をアピールしたい。
諸橋愛も好勝負に持ち込めるだけの状態にある。今年前半までは落車も続き、苦しい時期が続いたが、後半戦に入りようやく鋭い差し脚が戻ってきた。吉澤純平に天田裕輝と関東の機動型も豊富。今年ここまでにたまったうっ憤を終盤戦で晴らしたい。神山拓弥にとっても条件は同じ。むしろ勝ち上がれば栃茨で吉澤の番手もあるだけに、是が非でも勝ち上がりたい。吉澤は昨年大会でも決勝に勝ち上がるなど広島との相性がよく、天田も今年中盤から動きがよくなっている。一枚岩で結束できれば他地区にとっても脅威だ。
今年こそ。その強い思いを胸に松浦悠士、池田良は悲願の地元記念制覇に挑む。一昨年は竹内雄の逃げに乗った松浦だが原田研にまくられ決勝5着。昨年大会では準決勝で敗れている。その悔しさを晴らすべく、松浦はこの1年で確かな成長を遂げた。7月サマーナイトフェスティバルでは初めてビッグの決勝も経験。記念でもコンスタントに優出し、優勝争いに加わっている。グランプリ出場を決めた清水の欠場は痛すぎるが、今の松浦ならやってくれるはずだ。池田良も地元記念は一昨年に決勝3着、昨年は準優勝と着実に優勝に近づいている。乗り切れない近況ではあるが、鋭い差し脚は健在。地元記念に向けて、きっちり仕上げてくるだろう。
今年は記念3Vの実績がある中川誠一郎も侮れない。持ち前のスピードは健在。ハイレベルなメンバーがそろい、レースが激しくなればなるほど、中川にはとっては好都合だ。
小松崎大地、松谷秀幸も争覇級の自力型だ。小松崎は寬仁親王牌でG1初優出し、11月川崎では古性優らを破って優勝と近況好調。松谷も記念出場の機会が少ないだけで、11月取手記念の決勝2着など底力は健在だ。北日本勢は山崎芳仁、阿部拓真の追加参戦が決まり、なかなかの戦力になった。南関も桐山敬太郎の追加が決まるなど、ともに侮れない存在となっている。