好メンバーによる短期決戦
中部地区は浅井康太ひとりだが、他の地区は人数的に大きな差がない優秀競走のメンバー構成。そのなかで三谷竜生に義弘、博幸の村上兄弟と3名のS班を擁する近畿勢がやや優位に見える。三谷、村上義は2月、3月の落車から復調途上だが、三谷は平塚記念で「もう少し」と話すように、場所ごとにレースでの手ごたえをつかみはじめている。村上義も早い段階からトレーニングを再開したのなら体力、脚力に大きな低下はないはず。実際、勝つべきレースではしっかりと結果を残している。近畿勢では古性優作の気配がいい。ダービーでも決勝に勝ち上がるなど動きは俊敏で、そろったS班のなかでも存在感は負けていない。6月には岸和田での高松宮記念杯も控えているだけに、このメンバーを相手に結果を残して地元ビッグにつなげたい。
昨年の「スーパープロピストレーサー賞」を制しているのは平原康多。4年連続でこのレースに勝ち上がるなど、大会との相性も抜群だ。ダービーは惜しくも準決勝4着に敗れたが、シリーズ3連対と調子も良好。自力でも勝負になるが、吉澤純平が勝ち上がってくれば番手回りからチャンスを見いだすか。関東勢では諸橋愛の差し脚が好調だ。ダービーでは最終日に平原の番手まくりを逆転。平原、吉澤と関東の機動型が豊富なここでも、その切れ味を発揮するか。
勢いある中四国勢は清水裕友、松浦悠士に太田竜馬の若手トリオが中心となる。全日本選抜の落車で鎖骨を骨折した清水だが、復帰3戦目のダービーで決勝2着に入るなど順調な回復をみせている。太田竜馬はダービーこそ苦戦したが走り慣れた400バンクなら本来の力を発揮できそう。3月の当所記念では決勝でラインを上位独占に導いている点も忘れてはならない。松浦は自力で番手で今年は抜群の安定感を見せている。清水、太田とスジの目標が豊富なここもチャンスがありそう。
南関勢では郡司浩平の動きがいい。インフルエンザ明けで決勝に勝ち上がった当所記念から走るごとに良くなっている印象で、好メンバーがそろったここでも好勝負は可能だ。渡邉雄太がウィナーズカップ、ダービーとビッグ連続優出するなど乗れているだけに、中村浩士も含めてラインで勝ち上がれれば面白そう。
全日本選抜を制した中川誠一郎に山田英明、山崎賢人と九州勢には自力タイプがそろっている。中川はダービー特選で山崎との連係から新田祐、浅井らを破るなどスピード健在。山田は4月武雄記念で落車の影響もなく、相性のいい松山で活躍が期待される。
もちろん中部一人でもオールラウンダーの浅井を軽視はできない。前半戦は落車が続いたが、ダービーから立て直す時間は十分にあるだけに切れのある走りを見せてくれそうだ。
北日本勢は豊富な自力選手を目標に佐藤慎太郎が好調な差し脚を伸ばしてきそう。