山中秀、鈴木裕の千葉コンビ
オールスター出場選手が不在なので、G3開催ながらやや小粒のメンバー混成だ。そのため実力傑出した選手が見当たらず、優勝候補は5指に余る大混戦。どこからでも狙えそうなら、地元地区の南関勢を重視するのが自然だろう。本命には山中秀将を推した。山中は全日本選抜の準決で落車負傷、2カ月半欠場してダービーから実戦に復帰。なかなか調子が上がらず、自慢のスピードは影を潜め低空飛行が続いていたが、ここに来てようやく立ち直りの兆しが見えてきた。7月函館着、初日特選は工藤文の逃げを8番手から上がり11秒1の快速まくりで飲み込むと、決勝は内からすり抜けて上がり11秒2で逃げ切ったボスにまくりで襲い掛かり4分の3輪まで詰め寄った。持ち味のスピードが甦ったなら他の自力型をねじ伏せよう。鈴木裕は好調を維持している。5月宇都宮記念6着、6月四日市G3は4着など、G3開催で好走しているし、F1戦では3場所続けて決勝に乗っている。直近4カ月の3連対率は65%のハイアベレージ。自力基本の競走だが、ここは山中に前を任せるか。地元勢は追い込み型ばかりなので、千葉コンビとの連係から勝機を見出す手か。中では東龍之介に魅力を感じる。7月弥彦記念の二次予選Bでは、同県巴直の逃げを利して快勝していて、チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。今年はまだ決勝での連がらみが無く、F1戦で決勝3着が5回。ホームバンクのG3で結果を出し、うっぷんを晴らしたいところ。
仕掛けがツボにはまった時の破壊力には目を見張るものがある伊藤信も有力な優勝候補。4月佐世保でパーキンス、ドミトリエフら強豪外国人勢を撃破して優勝する大ヒットを飛ばすと、7月小松島の準決は上がり11秒フラのまくりで逃げた松本貴をねじ伏せた。位置取りが淡泊なので後方に置かれる場面も目に付くが、それを補って余りあるパワーの持ち主だ。
6月四日市G3で優勝した山岸佳太にも食指が動く。7月弥彦記念2着の連がらみはいずれも逃げてのもので、主導権を握ったときは強靭な粘りを披露している。このメンバーなら自力攻撃の破壊力は十分に通用するので、機動力を遺憾なく発揮できれば好勝負に持ち込める。
5月当所着あたりから連がらみが増えてきた佐藤友和にも注意を払いたい。持ち味の自在戦が冴え渡っているので、主導権争いが激化するようなら好位置キープしてのまくり、差しで連浮上もありそうだ。