浅井康が束ねる地元勢
今年はなかなか調子が上がってこない時もあった浅井康太だが、ここに来て徐々に躍動感が甦ってきた。共同通信社杯は準決で無念の1着失格を喫したものの、予選は連勝しているし、その後も9月岐阜記念着、寬仁親王牌着と決勝に進出。まだ決勝で結果を出せてはいないものの、勝ち上がり戦は柔軟性ある競走で成績をまとめている。ホームバンクの当所記念では圧倒的な存在感を示していて、62、63、64、67周年と4Vを達成。今シリーズは連係が続く淳、俊光の柴崎兄弟、坂口晃輔ら練習仲間と一緒なのも追い風で、浅井の優位は揺るぎない。現在の獲得賞金ランキングは第15位(10月28日)で、9年連続のグランプリ出場を果たすためには競輪祭で優勝するしかない。当所記念5Vを達成し、弾みを付けて競輪祭に乗り込みたいところ。柴崎淳は自慢のスピードが冴え渡っていて、ビッグレースで大活躍。オールスター着、共同通信社杯3着、寬仁親王牌着と素晴らしい成績だ。当所記念は57、58周年を連覇した実績があるものの、しばらく優勝から遠ざかっているだけに、そろそろという気持ちは強いはず。好位確保から自力を出せれば単十分。
輪界を代表するオールラウンダーの平原康多から狙う手もある。今年はまだビッグレースでの優勝こそないものの、高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバル、オールスター、共同通信社杯と立て続けに決勝進出。脇本雄太を意識したスピード強化が奏功している印象で、切れのいいスピードを披露している。持ち味の自在脚を発揮してのVゲットは大いにある。平原には連係実績の豊富な諸橋愛が続くか。7月弥彦記念で地元記念3連覇を達成すると、オールスターは決勝3着、共同通信社杯では3連勝で優参するなど差し脚は切れている。共同通信社杯の準決では平原のまくりを差して勝っており、平原に乗って首位に躍り出る場面は考えておきたい。
もう一人のS班・村上義弘は5月宇都宮記念で優勝を飾ったものの、その後は決勝に乗れていない。落車もあり、体調気掛かりな近況だ。同郷の稲垣裕之も機動力は復活も勝ち切れないレースが続いているだけに、近畿勢は苦戦を免れそうにない。
佐藤慎太郎、小松崎大地の福島勢も侮れない勢力だ。特に今年の佐藤は安定感抜群の走りを披露していて、全日本選抜、オールスター、共同通信社杯でそれぞれ準Vと好走。現在の獲得賞金ランキングは第3位(10月28日)で、06年以来となるグランプリ出場をものにしている。小松崎大地も気配はいい。寬仁親王牌着では昨年に続いての優参を果たしている。佐藤の好リードで主導権を握れば好勝負に持ち込める。新鋭の嵯峨昇喜郎が優参なら、10月青森決勝の再現。ラインから勝者を出せる。