そろった近畿勢が中心
三谷竜生、村上義弘のS班コンビに南修二と実力者がそろった近畿勢が中心だ。S班の2人はともに今年のグランプリ出場はならなかった。それでも三谷は落車続きだった今年前半戦から見事に立ち直り、10月千葉記念in松戸を制すと、続く寛仁親王牌でも決勝2着と調子を戻していた。村上も今年は落車に急性虫垂炎とアクシデントの多い1年だったが、このままでは終われない。佐世保記念から中2日のタイトなスケジュールとなるが、前後に近畿の援軍は充実している。来年からの巻き返しへ向けて、健在ぶりをアピールしたい。南修も的確なアシストに鋭いキメ脚で近畿勢の中心となれる存在。追加参戦の松岡健介に南潤もいる今シリーズの近畿勢はなんとも強力だ。
戦力という点では中四国勢も負けてはいない。グランプリ初出場を決めた地元、松浦悠士の欠場はあったが、追加で当所記念V実績のある原田研太朗が参戦し、小川真太郎ら機動型がズラリそろっている。原田は12月別府記念でもシリーズ2勝。初日特選では単騎まくりで浅井康、木暮安らを破っている。後方不発の展開もあるが、まくりの破壊力はメンバー随一だ。小川は競輪祭準決勝の落車からどれだけ立て直せているか。その準決勝では吉澤純の番手を回る平原康をひやりとさせるまくりを繰り出すなど動きは良かった。完調なら面白そうだ。
菅田壱道にとってはこれが2カ月半ぶりの実戦。レース勘の不安こそあるが、あっせんが止まっていた間に来年からの戦いを見すえた脚を作っているはずだ。ブランクを感じさせない走りで自身3度目の記念優勝を狙う。守澤太志もレース運びは堅実。11月防府記念での落車の影響はないだけに、菅田という好目標があるここで優勝争いに加わりたい。
メンバー最上位の競走得点と鋭いキメ脚を誇る諸橋愛は小林泰正の機動力に乗って。今年も7月弥彦記念の優勝から後半戦は快進撃を続けているだけに、売り出し中の小林が積極策なら鋭脚発揮の場面は十分にありそう。園田匠には松岡貴久、坂口晃輔には不破将登とスジの機動型がいるものの、ともに12月別府記念で落車しているだけに、その影響が気がかり。それでも園田、坂口ともに優勝を狙える力があることは間違いない。
根田空史は防府記念から2週間、競輪祭からも2週間と久々に時間が空いた。上積みがあれば10月京王閣記念のようなアグレッシブな走りが期待できそう。