佐藤慎が地元に凱旋
昨年のグランプリ覇者、佐藤慎太郎を軸に北日本勢が強力布陣だ。佐藤は一昨年から練習内容を見直し、昨年はビッグレースで3度の準優勝と抜群の安定感を誇った。新田祐大マークからゴール前で脇本雄太までとらえたグランプリの脚なら今シリーズも優勝候補の筆頭となるだろう。今年は1年を通して1番車。ラインを有利なポジションに導ける点、そして同県の目標が豊富な点でも有利だ。山崎芳仁は大宮、渡邉一成は別府記念とそれぞれ12月に落車してしまったが、地元のここまでには万全の状態に仕上げてくるだろう。過去に山崎は3回、渡邉一は1回の優勝実績があるが、佐藤は勝てば地元記念初優勝。今度は地元ファンと優勝の喜びを分かち合いたい。地元で記念初出場となる高橋晋也も注目の一車。大槻寛徳も地元勢を好援護から優勝争いに加わるか。
清水裕友も有力な優勝候補の一人だ。昨年も後半戦に怒とうの快進撃を見せて2年連続のS班に。昨年1月の立川記念を制すなど、この時期を得意としている点も見逃せない。ここも前々に攻めのレースで地元勢に襲いかかる。桑原大志にとってS班の清水と連係することはモチベーションのひとつ。調子は悪くないだけに、今回は決勝で清水と連係したい。橋本強も差し脚好調。1着こそ多くはないが、直線の長い当所なら侮れない存在になる。
今年は9年ぶりに1班となってしまった浅井康太にとっては巻き返しを期す1年だ。年末の別府記念の落車で鎖骨、ろっ骨骨折など大怪我を負ってしまっただけに状態の不安はある。それでも怪我をも成長の力に変えるだけの強さが浅井の持ち味。今シリーズはスジの機動型が手薄で自力で戦う4日間になりそうだが、17年、18年と2年連続でオールスターを優出するなど相性のいいバンクなら好成績を期待せずにはいられない。金子貴志も中部地区を代表する実力者。勝ち星こそ少ないが、12月伊東記念では野原雅也のまくりを交わすなど調子は高いレベルで調子を維持している。メンバー次第では自力で戦える点も強みになる。
渡邉雄太、根田空史と自力型がそろった南関勢も侮れない。渡邉雄はシリーズ屈指の機動型。このあとは全日本選抜、静岡記念と大事な開催が続くだけに今年も年頭からエンジンをあげてくるだろう。小原大樹は11月四日市記念の落車から復帰戦となるが、そろったスジの機動型を目標に体調やレース勘をカバーする。
山田英明は12月小倉で吉田拓矢らを破って優勝するなど、いい形で1年を締めくくった。タイトル奪取へ挑戦に余念がなく、今年初参戦のGレースでスタートダッシュを決める。
鈴木竜士も自力で、番手回りでと勝つためのスタイルを確立しようとしている。このメンバーが相手でも、今の調子と流れなら待望の記念初優勝は十分にありそうだ。