山崎芳仁が4度目の地元記念制覇
5車で結束した北日本勢が前受けした時点で大勢は決していた。青板前から小原太樹が追い上げて来たが、「来るのはわかってたし、簡単には負けられないので」。山崎芳仁は5車の軸としての強い責任感で番手を死守。赤板の1センターで単独の番手回りになると、鈴木竜士の最終2コーナーからのまくりに合わせて番手から出て佐藤慎太郎の追撃を振り切った。
「負けられないラインができてしまって、より一層緊張した。慎太郎さんに差されなかったのは良かったけど、まずは自分のできることをやって。(別線に)まくられたら元も子もないので」
記念優勝は15年9月の岐阜以来。その間、何度となく決勝には乗っていたが、優勝には手が届かなかった。しかし、「地元だけは集中してできてる感じがする」の言葉どおり、落車からの復帰戦でも、チャンスを生かしてしっかりと結果を出してみせた。
次節は来月8日から豊橋競輪場で開催される読売新聞社杯全日本選抜競輪。「チャンスがある時に勝てる脚は作っておきたい」。4年4カ月の記念優勝を手土産に、次はG1戦線でも大暴れする。
佐藤慎太郎は勝てば地元記念初優勝。番手まくりの山崎にゴール前、懸命に詰め寄ったが逆転はならなかった。
「今年ぐらいはねえ…。しょうがない。(作戦は)全ツッパ。小原はああしといて切る作戦だったのかもしれないけど。山崎もしっかり粘ってましたね。抜こうと思ったけど、抜けなかった。ラインでワンツースリーフォーまで。それはいいけど、やっぱり悔しいですね。次、頑張ります」
佐藤和也もしっかりと併走をしのいで3着に。年明け早々に競輪祭の出場権を獲得すると、同県の選手たちに冷やかされた。
「みんな喜んでくれましたね(笑)。(小原は)そうきたかと思いました。想定外だったんで、ずっと入られないように。そこだけでしたね。こんなに早く競輪祭を決められたし、誰にも入られず、前に離れずなので良かったです」
北日本勢で上位独占の展開をお膳立てしたのは高橋晋也だ。「青板で来たので焦ったっす」と小原の動きを振り返るが、そこからは落ち着いていた。
「とりあえず1回(ペースを)上げて、そこから流さず行こうと思った。今回はすごくいい舞台で戦わせてもらった。後ろについてくれる人も超イチの方なので、ほんとにいい経験になりました。」
初手は6番手の小原太樹は青板前から動いて山崎と併走した。
「あれしかなかった。油断してくれれば切ることも考えたけど、厳しかったですね。今のルールじゃ早めに切ることもできないし、難しいですね」
2コーナーから仕掛けた鈴木竜士は「もっと何かできることがあったんじゃないかな。まあ、しょうがないです。結果がこれなんで」と5着に終わったレースを言葉少なに振り返った。