「競輪王」松浦悠が主役
19年は目覚ましい飛躍を遂げた松浦悠士。G1開催では全日本選抜、ダービー、競輪祭で決勝に進出していて、競輪祭では「競輪王」に輝き、タイトルホルダーの仲間入りを果たした。惜しくも決勝を外した開催もオールスター3241着、寬仁親王牌2151着とコンスタントに好成績を残していて、地力強化しているのは疑う余地がない。初出場のグランプリは、競輪祭の決勝でも連係した清水裕友とのタッグで挑むも大願成就は成らなかった。20年はここでスタートダッシュを決めるとみて中心視した。
2年連続4回目のグランプリ出場を果たした村上博幸も19年は充実した1年だった。寬仁親王牌では14年の全日本選抜以来となるG1優勝を達成したのをはじめ、G2サマーナイトフェスティバル、G3は松阪、奈良とGレースで4Vを飾っている。グランプリは脇本雄太を目標にしたが、残念ながら脇本の強烈な踏み出しに付け切れなかった。ここは地元勢を盛り立てながらも最後は援護役だけにはとどまらない。
もう一人のS班である佐藤慎太郎は、19年はGレースでの優勝には手が届いていなかったものの、全日本選抜、オールスター、そして共同通信社杯で準Vと高いレベルで成績をまとめた。獲得賞金ランキング第5位で13年ぶりにグランプリの舞台に立つと、逃げた脇本に飛び付いた新田祐の後ろから直線鋭く伸びて歓喜のVゲット。栄光のグランプリチャンピオンユニフォームで走る今シリーズは菅田壱道を目標に優勝を目指す。その菅田はあっせん停止で2カ月半実戦を離れたが、復帰戦の12月広島記念は準Vと好走していて、スピードの切れは好調時と遜色なかった。
原田研太朗は追加参戦。20年初戦の小松島F1は圧巻のまくり3連発で優勝。スタートダッシュを決めた。19年の後半戦から好調を維持している。今シリーズも狙いすました一撃は十分だろう。昨年は3月松山記念を含め4Vを達成している渡部哲男も目が離せない。
地元勢は稲毛健太、椎木尾拓哉、東口善朋、南潤とトップクラスがそろい踏みといったメンバー構成だ。最近の稲毛は力強い走りを披露していて、12月は別府記念1217着、奈良117着、立川921着と連がらみが多い。立川の決勝は取鳥雄、阿竹智の中四国勢の2段駆けをねじ伏せた。この大会は68周年を制している東口は差し脚好調で、展開が向いた時はきっちり勝っている。S班の村上博幸にスピード光る野原雅也もいるだけに今シリーズの近畿は層が厚い。