武田豊が復活Vだ
V争いの中心は武田豊樹とみる。昨年9月岐阜記念の落車で鎖骨骨折など大怪我を負って、3カ月の欠場。復帰戦となった12月伊東記念から3場所走って、まだ決勝進出こそないが、1月高松記念では自力で久々の勝ち星を挙げるなど走るたびに調子と感覚を取り戻している印象だ。しかも今シリーズは河合佑弥、山岸佳太と前を任せる機動型がそろっている。一昨年3月ウイナーズカップ以来となる優勝で復調を確かなものにしたい。河合は昨年後半戦から調子を取り戻し、先行しての力強さが戻ってきた。山岸は近況ピリッとしないものの、1月向日町ではシリーズ2勝を挙げるなど機動力は健在。昨年はG3を2度優勝した実績も軽視できない。芦澤大輔は昨年10月取手の落車から長期欠場中で復帰しても体調、レース勘に不安はありそうだ。
佐藤友和も好調だ。昨年前半は点数を大きく落としていたが、中盤戦から調子を上げると最近では12月奈良、1月伊東を連覇。大宮記念でも決勝に進出している。鋭いタテ脚も健在だが、今シリーズは嵯峨昇喜郎もいる。決勝で連係できれば、優勝のチャンスはさらに膨らむ。その嵯峨は1月平で落車した影響が気がかり。昨年7月にS級特進をしてからも活躍を続けていただけに、嵯峨のデキがそのまま北日本勢の明暗を分けると言っても過言ではない。
迎え撃つ九州勢も戦力は充実している。中本匠栄は昨年、ビッグレースに4回出場し、記念決勝にも3度勝ち上がるなど大きな飛躍を遂げた選手のひとり。昨年大会は予選で接触、負傷し、途中欠場となってしまっただけに今年こそは九州勢の戦力としてフル回転するか。地元の北津留翼はムラこそあるがスピードは健在。1月松山でも取鳥雄吾、坂井洋の争いを豪快にまくって優勝している。小川勇介も昨年中盤の落車続きから解放されて状態は上向きだ。そろって勝ち上がって一枚岩で結束できれば。
南関勢は松坂洋平が昨年後半から白星ラッシュを続けるなど好調を維持。持ち前の自力に器用さも加わりレースに安定感が出てきた。海老根恵太は1月平記念で3日目にまくりを決めるなどタテ脚は相変わらず鋭い。松坂という好目標があるここも期待大だ。渡邉晴智もメンバ―屈指の実績を誇る実力者。堅実な走りが南関勢の層をさらに厚いものにする。
中四国勢は佐々木豪、取鳥と機動型がともに近況好調。佐々木は今年早くも4勝を挙げ、取鳥も直前の高松記念では連日積極的な走りを見せていた。ダッシュ型の取鳥にとっては調子を上げて迎えるドーム走路という点も楽しみなはずだ。復調途上とはいえ、これだけスジの機動型がそろえば濱田浩司にもチャンスはありそう。
中近勢は伊藤裕貴と鷲田佳史。昨年12月伊東で記念初優出を決めた伊藤はその後も好調を維持しているだけに、ここも侮れない一車となる。