強豪そろうも松浦悠から

松浦悠士

渡部哲男
全日本選抜の決勝で落車した松浦悠士は、2月奈良記念を欠場した。したがって、体調には一抹の不安は残るものの、影響がないようなら優勝に最も近い存在だろう。松浦は今年初戦の1月和歌山記念を豪快なまくりでVスタートを決めると、続く同月高松記念は無傷の4連勝を達成。決勝は上がり11秒1の快速まくりで2着以下を4車身千切っている。更に全日本選抜の決勝では、僚友の清水裕をG1初Vに導く逃走劇を演じている。四国地区の記念開催で中四国勢が充実しているので、勝ち上がり戦から有利に戦えるはず。オールラウンダーらしく展開に応じて変幻自在に立ち回り優勝をものにしよう。昨年は55周年以来となる地元記念優勝を飾っている渡部哲男。今年は連覇に闘志を燃やす。昨年は当所記念を含み4Vを達成した渡部は、今年も堅実な位置取りと鋭い差し脚を発揮して成績をまとめている。初戦の1月和歌山記念着、決勝は差せなかったが、二次予選A、準決と松浦悠を差しているし、全日本選抜の初日特選は清水裕のまくりに続いて2着。チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。昨年の決勝で渡部を連れて先行した太田竜馬、連係実績の豊富な同県の松本貴治ら四国の先行型もそろっていて、渡部に好展開となる可能性も大いにある。太田は1月高松記念で落車して全日本選抜を欠場。2月玉野から復帰したが着と動きは今ひとつだった。松本は全日本選抜5着、2月大垣着と数字はもとより、全レースで最終バックを取っていて競走内容もいい。

平原康多
平原康多を中心視する手も十分。今年は年頭から快調なペースで飛ばしていて、1月立川記念準V、同月大宮記念は優勝、そして全日本選抜着。更に2月奈良記念は連日圧倒的な強さを見せつけて着。今年の連対率は8割を上回っている。今節の関東勢は上位クラスが少ないが、今の調子ならハンデにはなるまい。諸橋愛が平原とタッグを組む。この両者は連係が多く、昨年の競輪祭の二次予選A、1月立川記念の準決でワンツーを決めている。平原の仕掛けが早まるようなら逆転も可能だろう。
S班の村上博幸はレース巧者らしく今年も成績をまとめている。1月和歌山記念、同月高松記念、全日本選抜と立て続けに決勝に進出。2月奈良記念は準決敗退も伸びは良かった。同郷同期の稲垣裕之、稲毛健太らとの連係から勝機を見出す。
もう一人のS班である中川誠一郎はなかなかエンジンがかからない。全日本選抜は良いところがなかったし、2月静岡記念の動きも物足りなかった。九州勢では山崎賢人も好調時のような力強さが影を潜めている。
柴崎淳は昨年の四日市記念を制した11月頃に比べるとトップスピードが落ちている印象だ。調子の上積みが欲しい。