戦力充実の関東勢
優勝争いをリードするのは森田優弥率いる関東勢だ。昨年前半は連続落車にコロナによる開催中止で波に乗れなかったが、後半戦からは本来の力強さが戻ってきた。11月京王閣からは5連続優出。F1戦では勝ち上がりで負けていないし、1月大宮記念では平原康の優勝にも貢献している。11月大垣では大槻寛、12月京王閣では諸橋愛とG1級の追い込み型を振り切っている今の調子なら、ここでの記念初優勝が大いに期待できそう。同県の池田勇人も森田マークで恵まれそうだが、関東勢では隅田洋介の存在も忘れてはならない。練習中の落車で5カ月近い欠場があったが、復帰戦の12月佐世保レインボーファイナルを制してS級に復帰すると、その後は3連続優出の大活躍。今のデキなら自力でも優勝争いができそうだし、森田や茨栃で朝倉智仁マークもありそう。昨年6月青森に続いてのG3制覇も十分にありそうだ。河野通孝、神山雄一郎にとっても条件は同じ。河野は1月大宮記念から3連続優出と乗れているし、神山もここ一番で見せるキメ脚は健在だ。
飯野祐太にとっては地元で記念初優勝の大チャンスだ。昨年10月にセッティングや練習メニューを元に戻すと、11月当所、12月前橋とF1戦を立て続けに優勝した。今年に入ってからは1月広島、2月立川とF1戦でも決勝進出を逃しているが、大事な地元戦に向けてきっちりと仕上げてくるはず。今シリーズは前を任せる北日本の若手機動型は多い。今まで北日本の先頭で頑張ってきた飯野の前で今度は後輩たちが頑張る場面は十分にありそうだ。その一人となるのは櫻井正孝だ。1月当所F1でも2連対するなど調子は悪くなさそう。そして1月大宮の決勝で北日本4車の番手を回り、自力で戦うことの重要性を再認識した。一人でも多くの北日本勢で勝ち上がって、地元の飯野を男にしたい。
佐々木豪、皿屋豊も争覇級の力を持った機動型だ。佐々木はコロナ自粛期間中のオーバーワークで体調を崩したが、フレームを換えた11月松山から成績はV字回復。12月千葉記念in松戸では3連勝で優出し、1月松山記念ではシリーズ3連対の活躍を見せた。皿屋も1月京王閣でS級初優勝を飾るなど近況は充実一途。年末の広島では記念初優出も決めるなど、今は記念でも優勝争い加わるだけの力がある。関東、北日本勢にとっても侮れない存在だ。スジの援軍が手薄な皿屋に比べ、佐々木は徳島勢に三宅達也ら援軍は多い。ラインの力なら佐々木に軍配があがりそうだ。
南関勢は堀内俊介、小埜正義に山賀雅仁、田中晴基と動ける選手が粒ぞろい。他地区の機動型に比べると近況の成績には物足りなさを感じるが、そろって勝ち上がることができれば面白いラインが完成しそう。山賀は2月名古屋で岩本俊の逃げに乗って優勝しているし、堀内も2月小倉で今年初優出するなど悪くない。
九州勢では荒井崇博が孤軍奮闘する。スジの機動型は手薄だが、自力で戦ってもまだまだ強い。