鷲田佳史が記念初優勝を達成
「FIの優勝もないので実感がないです。決勝の舞台で走れることに喜んでいたのでまさかでした」。
全日本選抜組が不在で大混戦の今シリーズを制したのは鷲田佳史だった。
「(近畿ラインの作戦は)総力戦で、決めずに。脚は日に日に良くなっていたので、村田(雅一)君が優勝を狙えるレースをしてくれたら自分にもチャンスがあると思っていました。(最終バックから村田が)内に行って詰まりそうな感じの時に隅田君が仕掛けていった。12月のレインボーカップの隅田君のレース(単騎まくり)が頭をよぎりました」
最終バックから追いかけた隅田は、2センターの森田優弥のけん制で一息。隅田の内のコースを踏んで直線へ入ると、後ろで落車はありながらも、いい勢いでゴール線を駆け抜けた。
「落車があったのは残念ですけど、冷静に対処できたかなと思います。12月に今回のあっ旋が入って、全日本選抜組がいない開催ってことで目標にはしていたんですけど、優勝はビックリですね」
早期卒業で昨年1月にデビューした弟子の寺崎浩平の存在も、鷲田にとってプラスに働いている。
「今は僕が弟子を追いかける気持ちでやっています。一緒に走るにはGIしかないので、同じ舞台に立てるように頑張らないと。あとは、こういう番組になった時に村田君のようにラインの先頭で走れるようになっていかないとなって思います」
今回の優勝で競輪祭の出場権は獲得。このあとは高松宮記念杯とオールスターを走るために、目の前の一戦、一戦に集中していく。
最終4コーナーから大外を踏んだ庄子信弘は、落車を避けて2着に突っ込んだ。
「誘導のスピードが上がって後ろでレースが始まっていたので、飯野(祐太)が駆けていくかと思ったけど、そのままペースで踏む感じでした。(打鐘の4コーナーで)一回、振ったけど(関東ラインの)3人が来てしまって、飯野は粘りに行ったけど、車輪がからむ感じになった。自分も(最終)2コーナーまでは内を締めていたけど、(村田雅一に)しゃくられてしまいました。(宮城県には競輪場がない為)一応、地元っていうのはここしかないので、アクシデントはあったけど結果として見れば2着はうれしいです」
近畿ライン3番手の西岡正一は、最終バックから外を踏んだ鷲田には続けなかったが、庄子を追いかける形から3着に入った。
「(最終バックで)村田が内に行って、鷲田が外に行ったから、そこに付いていければよかったけどムリでしたね…。そのあとは4番(庄子)の後ろに付き直して9着を覚悟したら、落車の音が聞こえて前がいなくなった。3着ですけど落車があったし、うれしさは半分です」