安定感際立つ松浦悠
昨年は1年間を通して素晴らしい成績を残した松浦悠士が優勝候補の筆頭だ。決勝を外したのは準決で3着失格となった競輪祭しかなかった。優勝も数多く、オールスター、ウィナーズカップとビッグで2V、記念は3Vを達成している。スーパープロピストレーサー賞を含めると圧巻の6V。自在型ながら直近4カ月の連がらみの約8割が自力によるものなので、自力攻撃で別線をねじ伏せている印象があり、巧さよりも力強さを感じさせる競走だ。今年も初戦の1月岸和田記念in和歌山で優勝と好発進を決めており、年が明けてもやはり松浦は強い。
対峙する平原康多も今年は申し分のないスタートを切った。初戦の1月立川記念着といきなりVをゲットすると、続く同月大宮記念は見事な4連勝で大宮記念8Vを達成し、地元ファンの期待に応えた。自力戦、番手戦のどちらもそつなくこなしていて、調子の良さを感じさせる近況だ。今の勢いなら3場所連続Vを達成する可能性も大いにある。
新SS班の守澤太志も貫録を示した。1月岸和田記念in和歌山着、二次予選は目標が不発の展開となったが、自力に転じて人気に応えている。基本は追い込みながら11月岐阜の決勝では山口拳、古性優らを相手に逃げ切ったように機動力もなかなかのレベルだ。ここは高橋晋也との連係から勝機を見い出す。この両者は昨年のウィナーズカップの決勝で連係している。まくり上げた高橋に乗った守澤が準V、高橋が3着でともに確定板入りを果たしている。
地元勢は香川雄介、池田憲昭ら追い込み型ばかりなので、太田竜馬、小川真太郎の徳島勢が頼りだ。香川は46歳のベテランながら差し脚に陰りは見られない。12月当所着では初日特選、決勝と島川将を差し切っている。チャンスが巡ってくれば好勝負に持ち込める状態だ。太田は相変わらず波に乗り切れない状態が続いているが、小川は12月佐世保記念着、1月立川記念着など位置取り重視の自力攻撃で善戦している。
乗れている北津留翼も侮れない。昨年の後期はF1戦とは言え圧巻の5V、今年も1月四日市でV発進を決めている。決勝では野原雅、山口拳らの若手健脚を番手まくりながら一蹴した。仕掛けがツボにはまった時の自力攻撃は破壊力抜群なので、一発には注意したい。