大会連覇を狙う郡司浩
今年もいよいよG1戦線の幕が上がる。全日本選抜競輪の舞台は17年大会以来、5年ぶりとなる取手競輪場だ。SS班が勢ぞろいとあって、優勝候補は5指に余るが、この大会連覇を狙う郡司浩平を本命に推した。今年の郡司は初戦の1月和歌山記念で4連勝していて、最高のスタートダッシュを決めた。続く同月豊橋記念着の動きも良好で、とても順調に来ている印象だ。自力攻撃の破壊力には素晴らしいものがあるし、番手戦もそつなくこなすので安定感は抜群。最も信頼性が高いとみた。
平原康多、宿口陽一、吉田拓矢と3名のSS班を擁する関東勢は強大な戦力だ。大将格の平原は1月立川記念で落車のアクシデントに見舞われたが、同月大宮記念は4連勝で地元ファンの期待に応える激走を演じ、体調の不安を一掃した。昨年のグランプリと同様に3車で好連係を決めれば平原の単は大いにある。この大会の相性も良く、13年、当所で開催された17年と2Vを飾っている。吉田は地元のG1とあってはいつも以上に気合が入る。初のSS班となった今年は、1月立川記念でVスタートと滑り出しは申し分なかったが、同月大宮記念で落車し左膝膝蓋骨脱臼。仕上がりには不安も残る。
昨年はグランプリ、オールスターを制覇して賞金王に輝いた古性優作。今年初戦の1月和歌山記念の動きはやや物足りなかったが、同月高松記念着は切れが戻っていた。本番はベストの状態で臨んでくるはず。脇本雄太が不在で近畿勢は総合力ではやや劣勢ながら、グランプリを単騎戦で勝っているので評価を下げる必要はない。持ち味である強気の自在戦が奏功なら単十分。
松浦悠士、清水裕友の中国ゴールデンコンビは両者ともに順調に来ている。松浦はまだ決勝では結果が出ていないものの、1月和歌山記念、同月高松記念は危なげなく優参している。清水も1月立川記念は積極的に動けていたし、同月豊橋記念は着と好成績だった。中四国勢では原田研太朗が注目株だ。12月防府の準決から1月は高松、松山、豊橋記念と勝ちっぱなし。2月松山でも初日特選を制していて、連勝を13まで伸ばしている。素晴らしいスピードを披露しているので、G1初Vを達成しても不思議ではない。
北日本勢も戦力は整っている。佐藤慎太郎、守澤太志のSS班2名の追い込み型に自力型はスピード非凡な新田祐大、新山響平。佐藤は相変わらず安定感が高く、1月は記念を3場所走り確定板を外したのは1回しかない。新田も1月立川記念着の走りは力強かった。好連係を決めれば北日本勢から優勝者が出る場面もありそうだ。
SS班は不在の九州勢ながら中川誠一郎、園田匠、北津留翼、山田庸平ら個性派の健脚がそろう。ツボにはまれば台風の目と化すことも。
中部勢では1月立川記念着など、快速を披露している浅井康太に注意したい。