東西対抗形式によるV争い
ワールドクラスの豪脚を遺憾なく発揮してダービー2V目をゲットした脇本雄太が不在。優勝のゆくえは混沌としている。どこからでも狙えそうだが、本命には松浦悠士を推した。安定感の高さは相変わらずで、ビッグレースでは全日本選抜、ウィナーズカップで準V、G3は2月奈良、4月川崎で優勝を飾っていて、今年の連対率は7割に迫る勢い。盟友の清水裕友、今年はビッグレースで連係実績が豊富な太田竜馬ら中四国勢は総合力でも上位。高松宮記念杯初Vに向けて視界は良好だ。昨年に続きウィナーズカップ連覇を達成した後は、1カ月半実戦を離れた清水だが、復帰戦のダービー、5月函館記念と決勝に乗っていて調子に問題はない。今年の太田は自慢の快速をコンスタントに発揮できている感があり、勝率は約50%。昨年の26%を大きく上回っている。先導役だけにはとどまらない。
この大会に最も強い思い入れがあるのは地元の古性優作だろう。7回参戦してまだ決勝に乗れていないが、昨年のオールスターで優勝する前の成績なので参考にはなるまい。今年は全日本選抜で優勝すると、ウィナーズカップ、ダービーは危なげなく決勝に乗っていて、ビッグレースで安定した成績を残している。5月宇都宮記念、全プロ記念競輪の動きは今一つだったが、確実に調子を上げて挑んでこよう。今年の滑り出しは今一つだった稲川翔だが、最近は伸びがいい。ダービーの二次予選では脇本雄の逃げを差し切っている。この大会は14年にVの実績もある。
関東勢は平原康多、吉田拓矢、宿口陽一のSS班3名をはじめとしてビッグレースで先行力を猛アピールしている眞杉匠、ベテランならではの安定プレーを演じている諸橋愛とそろっている。大将格の平原は順調に来ている。今年はG3で3V、全日本選抜、ダービーでは危なげなく決勝進出を果たした。吉田は5月宇都宮記念では今年G3の2V目をゲットと乗れているし、眞杉はダービーで2年連続の決勝進出、全プロ記念着とパワーアップ。関東勢から優勝者が出る場面は大いにありそうだ。
今年は勝率高い郡司浩平も有力な優勝候補だ。5月末までにG3の2Vを含み19勝していて勝率は46%。この大会は16年に準Vがあるものの、その後は人気以下の成績に終わることが多いので、そろそろ流れを変えたいところ。連係実績が豊富な深谷知広とのタッグでVを睨む。その深谷はダービーの初日特選で逃げ切るなど、自力攻撃の破壊力は相変わらずだ。
北日本勢も佐藤慎太郎、新田祐大、成田和也、新山響平と実力者ぞろい。佐藤はダービーで準Vと吐いたばかりで、勝機が巡ってくればものにできる状態ある。新田はダービー前検日の指定練習で落車し、欠場が続いている。体調が浮沈の鍵となりそうだ。
九州勢は荒井崇博、中川誠一郎、井上昌己らベテラン勢が元気一杯。