主役は豪脚誇る脇本雄
「オールスター」の大会名に相応しく輪界の健脚がズラリとそろった。SS班がそろい踏みでも、主役を務めるのは脇本雄太だ。トップスピード、ダッシュ力、航続距離と三拍子そろった脇本の脚力は、輪界トップであるのは疑う余地がない。今年はダービーでの優勝を含み38走して31勝を挙げていてて、勝率は驚異の81・5%を誇っている。先行すると強じんな粘りを発揮して後続を振り切るし、まくりに構えても別線の2段駆けを異次元のスピードで飲み込んでしまうだけに、余程の不利がない限り主役は譲るまい。脇本とタッグを組む古性優作は、大会連覇に闘志を燃やす。昨年は脇本の逃げを差してG1初制覇を達成。その後は完全に一皮むけた印象だ。暮れのグランプリを優勝すると、今年も全日本選抜、高松宮記念杯とG1で2Vを飾っている。ビッグレースで圧倒的な存在感を示しているだけに、昨年に続いてのVゲットの場面もあろう。
地元の大将格はもちろん平原康多だ。高松宮記念杯で落車したが、7月弥彦記念は戦えていたし、ここまでにさらに調整は進むはず。今年はG3で3Vを飾っていて勝率は5割。関東勢には他にも宿口陽一、吉田拓矢のSS班がいるし、先行力際立つ眞杉匠の存在も心強い。調子さえ戻れば、地元でオールスター初Vを達成しても不思議ではない。
中四国勢も戦力は整っている。松浦悠士、清水裕友の中国ゴールデンコンビに快速誇る太田竜馬。松浦はサマーナイトで連覇を達成したばかりで、気分的には乗っているはずだし、全日本選抜、ウィナーズカップはいずれも準Vと安定感の高さは相変わらずだ。清水は一息不足の場所が続いているのは気になるが、太田は7月豊橋で3連勝。初日特選と決勝は上がり11秒1の好タイムで逃げ切っていて、スピード、末脚の粘りともに申し分なかった。
南関勢のエース郡司浩平は、相変わらず調子の波が少ない。今年はビッグレースで結果が出ていなかったが、高松宮記念杯は東準決で勝ち星をゲット。その後も力強い走りを披露している。ただ、7月佐世保記念の決勝を当日欠場したので体調には一抹の不安が残る。南関ではスピード光る深谷知広、最近の動きは文句なしの渡邉雄太ら静岡勢に魅力を感じる。
佐藤慎太郎、守澤太志と2枚のSS班を擁する北日本勢も侮れない。佐藤はサマーナイト❸着など堅実だし、守澤も7月佐世保記念準Vの走りは申し分なかった。新田祐大はまだ安定感に欠けるが、徐々に調子を戻している。
SS班は不在の九州勢ながら荒井崇博、山田庸平、中川誠一郎、山崎賢人ら実力者がそろっている。中でも佐賀コンビは充実していて、獲得賞金ランキングで山田は第7位、荒井は第10位に付けている。