機敏に立ち回る郡司浩
健脚がそろい熾烈なV争いだが、連の軸として最も信頼性が高いのは郡司浩平だろう。今年も相変わらず調子の波が少なく、G3で2V、準V2回、高松宮記念杯では321着で決勝に乗っている。勝率は5割に迫る勢いで、対戦相手に精神的なゆとりを与えない強気な自力攻撃が冴え渡っている。オールスターの最終日に落車のアクシデントに見舞われたものの、8月小田原記念では、影響をまったく感じさせない力強い走りを披露し、3連勝で決勝進出。体調の不安を一掃している。同県同期の和田真久留は、4月平塚記念では郡司と3回連係している。初日特選は前を回ったが、準決、決勝は番手戦だった。準決はまくって勝った郡司を好マークして2着、ワンツーを決めている。松谷秀幸も4月川崎記念の準決では、快速まくりを決めた郡司に食い下がり2着、更に8月小田原記念の準決でもまくりにきっちり続いて連独占の実績がある。
ラインの総合力なら北日本勢に軍配が上がる。自力型は新山響平、中野慎詞、高橋晋也。追い込み型には永澤剛、和田圭とバランスよくそろっている。地元の新山響平は69周年大会を制している。高松宮記念杯、サマーナイトとあまり振るわず、最近の調子は今一つの感があったものの、オールスターでは準決2着で優参を果たした。これで波に乗るか。注目株はスーパールーキー・中野慎詞だ。早期卒業を果たすとチャレンジ戦、A級1・2班戦を最短の3場所で卒業し、S級でも9連勝を達成している。目下のところ破竹の27連勝と超エリート街道を驀進中。G3は初参戦ながらトップクラス撃破の期待がかかる。
関東勢はSS班の吉田拓矢が大将格。トップスピード、航続距離ともにハイレベルで、ヨコの動きもそつなくこなす。今年はまだビッグレースでは決勝に乗れていないものの、G3で2Vを飾っている。ただ、オールスターの準決で落車し最終日を欠場しており、体調には一抹の不安が残る。他にも神山拓弥、長島大介の栃木コンビ、先行力に一段と磨きがかかった菊池岳仁がいて戦力は整っている。
追加参戦となった清水裕友もⅤ戦線をにぎわす。特に強調できるような近況ではないものの、8月小田原記念でもしっかり決勝に乗っている。目下賞金ランク第7位と気を緩められる状況ではなく、弾みになるレースを見せたいところ。当所は過去にブロック7で1回走っただけだが、クセのない400走路だし、走りにくいことはないだろう。うまく流れに乗って一撃を放てるか。
波乱を呼べば九州勢か。前期は不本意な成績に終わった山田英明だが、サマーナイトで決勝に乗るなど、最近は動きに鋭さが出てきた。園田匠は高松宮記念杯で決勝3着と気を吐いた。その後も成績をまとめており、好調をキープしている。