競輪祭初Vを睨む脇本雄
今年もワールドクラスの豪脚で別線を沈黙させてきた脇本雄太。ダービー、オールスターのG1大会2Vを含み優勝は2ケタの11回。勝率は圧巻の84・2%で、どれを取って見ても素晴らしい数字を残している。トップスピード、航続距離、加速力と3拍子そろっていて死角は見当たらない。G1大会では7Vを達成しているが、まだ競輪祭、全日本選抜は手中に修めていない。大会初Vを飾りグランドスラムに王手をかける。タッグを組む古性優作も今年は全日本選抜、高松宮記念杯と2Vを達成。10月京王閣記念では着で3日目から欠場しているが、今年のG1はここまで5大会すべて準決は1着でクリア。調子は整えてくるはずなので不安はあるまい。脇本の仕掛け次第では逆転も可能だろう。
11月防府記念の決勝で落車した郡司浩平だが、ケガは軽傷の模様で、評価を下げる必要はなさそう。共同通信社杯で4連勝すると、10月熊本記念in久留米❶着、11月防府記念は着で優参していて調子は申し分ない。深谷知広、和田真久留らと南関ラインを形成し、一昨年に続き大会2V目を狙う。
中四国勢も戦力は整っている。松浦悠士、清水裕友、太田竜馬。松浦は今年も高いレベルで成績をまとめていて、獲得賞金ランキング第2位。19年に初タイトルを獲得した思い出の大会で、再び主役を演じても不思議ではない。清水は獲得賞金ランキング第9位でボーダーラインにいる。第10位とは1200万円近くの差があるものの、第10位以下の選手が優勝した場合は出場権を獲得できない。11月防府記念では、前人未到の4日制同一記念5連覇を達成して気分的には最高潮のはず。Vを射止めてグランプリを確定させる場面もありそうだ。
寬仁親王牌を制覇し、輪界4人目のグランドスラマーとなった新田祐大も有力な優勝候補だ。一息入ったのか、10月京王閣記念は不本意な結果に終わったが、ここには軌道修正して臨むはず。獲得賞金ランキング第4位の佐藤慎太郎、第5位の守澤太志、第11位の成田和也と北日本勢は強豪ぞろい。好連係を決めれば北日本勢から優勝者が出てもおかしくない。ただ、11月防府記念の決勝で落車した佐藤は打撲がひどい模様で、体調には一抹の不安が残る。
関東勢も総合力は引けを取らない。大将格の平原康多をはじめ宿口陽一、吉田拓矢と3枚のSS班を擁していて、自力攻撃に一段と磨きがかかった眞杉匠、レース巧者の諸橋愛も控えている。平原はこの大会は相性が良く、3Vを達成した実績がある。16年以来となる4V目ゲットも。
九州勢はSS班不在ながら一発を秘める選手ぞろい。昨年は決勝に乗った地元の北津留翼、園田匠をはじめ、荒井崇博、山田庸平の佐賀勢に山崎賢人。山田は獲得賞金ランキング第10位も第9位とは1200万円近くの差を付けられている。目指すはVのみだ。