体調に問題なければ脇本雄
昨年はグランプリ、ダービー、オールスターなど12Vを飾り、輪界初の3億円レーサーに輝いた脇本雄太。勢いはとどまることを知らず、今年も1月和歌山記念、同月豊橋記念と8連勝を達成した。他をまったく寄せ付けない異次元の走りを披露していたが、2月奈良記念は初日特選で先行して2着。今年初めて勝ち星を逃すと、急性腰痛症のため2日目から欠場となった。持病であるヘルニアの影響で、スムーズな歩行もままならないとあっては、欠場も致し方ないところ。この開催までにどこまで体調を整えられるかが浮沈の鍵となりそうだ。昨年のグランプリでは、脇本にきっちり続いて準Vの古性優作。今年も脇本との連係は多い。1月和歌山記念の初日特選と決勝、同月豊橋記念でも初日特選と決勝、そして2月奈良記念の初日特選と、早くも5回タッグを組んでいる。結果はすべてワンツーを決めているだけに、黄金コンビと称されるのも当然か。ただ、脇本の4勝に対し古性は1勝と分が悪い。大会連覇を達成するためには、脇本を抜くことが必要になる。
グランドスラマーの新田祐大をはじめ佐藤慎太郎、新山響平、守澤太志と4名のSS班を擁する北日本勢。ラインの総合力なら一番だろう。今年の新田は1月立川記念で4連勝と最高のスタートを切った。その後は優勝こそないものの、自慢の快速を遺憾なく発揮している。2月奈良記念の準決は、ジャン過ぎの3コーナーで接触し、最後方に下がる大きな不利があったが、最終ホームから巻き返すと前の8人をごぼう抜き。どのような展開となっても諦めない精神力は素晴らしかった。好展開が巡ってくれば、18年以来となる大会2V目もありうる。
南関地区のエースは郡司浩平だ。深谷知広、松井宏佑とスピード豊かな自力型がズラリとそろっている。今年はまだ決勝では結果が出ていなかった郡司ながら、2月静岡記念ではV。決勝は渡邉雄太-深谷の3番手から勝機をつかんだ。また、1月大宮記念の決勝は、主導権を握った郡司に乗った深谷が優勝していて、新たな連係プレーを演じた。連係のバリエーションが広がった南関勢の動向には注目しておきたい。
関東地区のSS班は大将格の平原康多だけながら、昨年はSS班を張った吉田拓矢をはじめ、眞杉匠、坂井洋、吉田有希と伸び盛りの若手がそろっている。平原は2月奈良記念で落車したが、幸い大事には至っていない。この大会は13年、17年と2Vを達成していて相性がいい。若手と好連係を決めれば首位に躍り出る場面も考えられる。
昨年は年間を通して安定した走りを披露していた松浦悠士。今年は1月和歌山記念を欠場し、同月豊橋記念が走りはじめとなったが、結果は着。続く静岡記念❻着も含めて、好調時に比べると動きは物足りない。だが、調整能力の高さには定評があるので、V争いに加われる状態で臨んでこよう。