力強さ際立つ新山響
SS班4名が参戦するが、最も勢いがあるのは新山響平だ。今年の滑り出しは今ひとつ物足りない場所が続いたものの、ウィナーズカップで準決1着で決勝進出を果たすと、その後は本来の力強さが完全に甦った。4月は四日市G3では➍着、武雄記念❷着と成績が急上昇。さらに勢いは加速し、ダービーでは初日特選で鮮やかなまくりを決めて2着、ゴールデンレーサー賞にコマを進めると、清水裕の逃げをまくりでねじ伏せて2着。準決は突っ張り先行で眞杉匠を完封。佐藤慎太郎に差されたものの、北日本勢で確定板独占を決めた。今の脚勢なら主導権を握って押し切ろう。新山の後ろは佐藤の指定席だ。ベテランならではの安定した走りを披露していて、相変わらず成績を高いレベルでまとめているし、ダービーの準決では新山を差して決勝に進出。今年はまだ優勝には手が届いていないだけに、そろそろという気持ちは強いはず。渾身差しで66周年大会以来となるVゲットもあるか。
ウィナーズカップを制した松浦悠士は、3月玉野記念、4月高知記念と続けて準V。ようやくエンジンがかかってきたと思えたが、武雄記念の準決で落車のアクシデントに見舞われた。ダービーはこの後遺症があったのか、着。躍動感にあふれた走りは見られず、未勝利に終わっている。ここまでにどこまで調子の上積みができるかが浮沈の鍵となりそうだ。
もう一人のSS班である平原康多も、武雄記念の準決で落車していて、ダービーを欠場した。最も権威のあるG1を欠場とあっては、この開催も体調には不安が残る。ダービーから10日間ほどの日数しかないので、万全な体調での参戦は望めないか。
地元勢は眞杉匠、坂井洋、長島大介、神山拓弥と戦力が充実している。ラインをけん引するのは眞杉だ。ダービーは着。残念ながら3年続けての決勝進出は果たせなかったが、二次予選は山口拳、渡邉雄らを相手に逃げ切り勝ち。マークの神山と栃木ワンツーを決めていて、自力攻撃の破壊力は相変わらずだ。準決は新山に突っ張られて先手を奪えなかっただけに、地元の記念でリベンジしたい。坂井はダービーの二次予選で落車(再入)したが、3走目は上がり10秒8の超速まくりを繰り出して白星をゲット。落車の影響はないとみてよさそう。眞杉が主導権を握れば首位に躍り出る場面も考えられる。長島、神山も調子は良好。ダービーでは両者ともに準決にコマを進めている。地元勢がレースを掌握なら連対望める。
71周年大会の覇者である浅井康太も侮れない。4月四日市G3で優勝すると、ダービーでは最終日にまくって1勝をあげている。展開がもつれるようだと一発怖い。