犬伏湧がスピードで圧倒
一段と磨きがかかったスピードを武器に、別線を沈黙させている犬伏湧也が優勝候補の筆頭だ。サマーナイト着の準決は、脇本雄の上がり10秒6(バンクレコード)の超速まくりに屈したものの、最終日は先手を奪って深谷知、菊池岳らをまったく寄せ付けなかった。トップスピードは断然上位だし、航続距離も伸びているので、主導権を握って押し切る公算が大きい。渡部哲男が犬伏に食い下がる。6月大垣記念の二次予選で両者はワンツーを決めているが、犬伏が逃げ切ったのに対し、渡部は連結を外していて、リカバリーしての2着だった。踏み出しを凌げれば四国コンビで連独占は十分か。
今シリーズは「第17回吉岡稔真カップ争奪戦」。師匠の冠が付いたレースとなれば園田匠、小川勇介、岩谷拓磨の地元同門トリオはいつも以上に気合が入る。小川と岩谷は6月玉野の初日特選で連係していて、逃げた岩谷を利した小川が直線で抜け出し勝ち星をゲットしている。高松宮記念杯では白虎賞にコマを進めると、7月小松島記念は1着と2勝するなど、自力攻撃が冴えている伊藤颯馬の存在も大きい。犬伏は強敵ながら、好連係を決めれば九州勢が優勝をものにする場面は大いにあろう。
レース巧者の和田健太郎も侮れない。今年はまだ優勝には手が届いていないものの、直近4カ月の競走得点は112点台。堅実な捌きと鋭い差し脚は相変わらずだ。