主役は譲れぬ北井佑
S1班中堅クラスが主力のシリーズとあって、北井佑季の先行力は際立っている。8月富山記念1❷着の決勝は、後続の郡司浩に交わされてG3初Vは逃がしたものの、9月向日町記念では❶着とG3初Vを達成。決勝は完全マークの佐藤慎の末脚を封じて逃げ切っていて、上がりタイムは11秒3を叩き出した。同月立川記念でも1着で決勝に乗っていて、G3開催では圧倒的な存在感を示している。このメンバーなら人気集中するのは間違いないし、地元戦とあっては主役を譲る訳にはいかない。主導権を握って押し切るとみて中心視した。同県の松坂洋平が北井とタッグを組む。両者は9月向日町記念の二次予選で連係していて、松坂が先行した北井を差して神奈川ワンツーを決めている。短走路でも北井の仕掛け次第では逆転も可能だろう。
長島大介、横山尚則、河野通孝の栃茨勢は長島が先導役を務めるか。今年の長島はビッグレースで毎開催連に絡んでいて、オールスターの一次予選2では古性優らを撃破すると、共同通信社杯は着と準決にコマを進めた。機動力を活かした自在戦が奏功すれば、好勝負に持ち込んでもおかしくない。横山もオールスターでは1勝をあげていて、9月向日町記念は予選を連勝で準決に乗っている。横山も河野も差し脚は切れているので、チャンスが巡ってくればものにできる。
宿口陽一、久木原洋、河村雅章の埼京勢も侮れない。埼玉コンビは両者ともに自在型だが、攻め口の多彩さでまさる宿口が先頭で戦うとみた。最近は目立つ成績ではない宿口ながら、共同通信社杯では最終日に勝ち星をゲットすると、9月松戸の初日特選は、眞杉匠の逃げに食い下がり2着に入っている。北井にスンナリ駆けられては厳しくなるので、何でもありの総力戦で活路を見い出す。
鋭い差し脚を披露している大森慶一にも魅力を感じる。直近4カ月の競走得点は111・04点で北井、長島に次ぐ。オールスターでは準決にコマを進めると、9月松戸記念は2❷着とオール連対の準Vと気を吐いていて、成績を高いレベルでまとめている。ただ、今シリーズの北日本勢は上位の自力型が手薄。この不利をどう克服するかが浮沈の鍵となりそうだ。
石原颯、小川真太郎の四国勢も忘れてはならない。最近は落車が多いのが気になる石原だが、9月松阪記念1着の動きは悪くなかった。タイミングよく仕掛けて先制できれば、台風の目と化すこともあるか。ここのところやや物足りない感じもする小川だが、9月大宮3➍着の伸びはまずまずだった。石原次第では浮上する場面があっても不思議ではない。
9月松阪記念2着。二次予選で敗退も3連対を果たした柴崎淳。なかなか本来の脚勢に戻り切らないが、展開が向いた時はきっちり勝っている。