スピード際立つ河端朋
今シリーズの主役を務めるのは河端朋之だ。18年世界選手権のケイリンで、銀メダルを獲得した輝かしい実績がある快速レーサー。持病である腰痛の影響で、ベストコンディションでの参戦はなかなか叶わないようだが、10月熊本記念in久留米は予選を連勝して準決にコマを進めると、寬仁親王牌ではG1で初の決勝進出を果たしている。二次予選Bでは、深谷知の逃げを上がりタイム11秒3のまくりで仕留めた。G戦線で強敵をねじ伏せているスピードには素晴らしいものがあり、優勝に最も近い存在とみて中心視した。
強敵を迎え撃つ地元勢は、松岡篤哉、志田龍星、橋本優己と自力型がズラリとそろった。今期は2班の松岡篤ながら8月玉野では3連勝で5年ぶりの優勝を飾ると、同月岸和田は1❷着とオール連対の準V。G3では9月豊橋記念1着と2勝をあげていて、自力攻撃が冴え渡っている。志田、橋本らの若手と好連係を決めれば、展開の利を得られる可能性もある。ホームバンクでG3初Vをゲットも大いにありそうだ。最近はGレース参戦が続いて決勝には乗れていない志田だが、随所で機動力を発揮しての連がらみがあるように調子は問題ない。橋本も動きはいい。9月豊橋記念は予選を2着で準決に乗ると、10月川崎では連勝で優参を果たした。地元ラインの先頭を任されれば強気に攻める。
九州勢も松岡辰泰、中村圭志、阿部将大と戦力は整っている。松岡辰は自力基本ながら攻め口は多彩。共同通信社杯の一次予選は、嘉永泰の逃げに好マークして2着。10月熊本記念in久留米では優参を果たすと、熊本4車ラインの先陣を受け持ち、熊本ワンツー(1着中本匠、2着嘉永)に導く逃走劇を演じた。動向からは目が離せない。ガッツマーカーの中村は、8月和歌山G3、9月松阪記念で決勝に乗るなど、安定した成績を残している。好位置占めれば連に浮上してきそうだ。阿部は粘り強い先行が持ち味。寬仁親王牌では結果を出せなかったが、今シリーズのメンバーなら機動力を発揮するチャンスだ。
一発の魅力を秘めているのは坂本貴史だ。共同通信社杯の二次予選Bでは、山崎賢、窓場千、太田竜らの強豪を撃破して勝ち星をゲットしている。最近はF1戦で続けて決勝を外すなど、成績は今ひとつだったが、11月静岡❻着の準決で森田優らをまくりで一蹴した動きは悪くなかった。好位置キープに成功すれば首位に躍り出ても不思議ではない。まくりの機動力がある佐藤友和だが、坂本との連係が叶うようなら前を任せよう。寬仁親王牌の最終日は、一般戦ながらまくって1勝をあげると、10月向日町は1❸着と3日間確定板入りを果たした。調子は良好なので、坂本次第では怖い存在となりそうだ。
最近はほとんどのレースで最終バックを取っている青野将大、2班ながら素晴らしい伸びを披露している山賀雅仁の南関勢も侮れない。