• 大垣競輪場 施設整備等協賛競輪GⅢ11/16〜11/19

後記 GⅢ 大垣 11/16

山賀雅仁が5年ぶりのG3制覇

山賀雅仁

山賀雅仁

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 「今日(最終日)は母親の命日だったんですよ。普段はあんまり頼まないんだけど、力を貸してくださいってお願いしちゃった」
 見えない力にも背中を押されて、*山賀雅仁が18年青森記念以来4回目のG3優勝を手にした。
 青野将大と、白戸淳太郎の神奈川勢の間に入る形でラインを組んだ。「同県の間に入るのは初めて」だっただけに、普段とは違う緊張感を持っての決勝戦だった。
 「(青野が志田龍星に叩かれたが)青野はまだ踏んでたし、ラインを組んでいる以上は、あそこでシビアに(切り替えて)行くよりも青野に志田君を追ってもらってと。青野が踏んで出切ってくれたし、それを抜ければ優勝かなって思ったらドキドキして。動きが固くなっちゃった。特に、今回は白戸さんに番手を回してもらってるんで、独特の緊張感でした。本当にラインのおかげで優勝できた。一人じゃ何もできないですよ」
 今期はこれで13勝の固め打ち。優出した今年の当所記念から、状態をキープして走り続けている。今年のビッグレース出場はダービーの一度きりにとどまった。だが、この優勝で来年の競輪祭の出場を決めただけでなく、他のG1への出場もグッと手繰り寄せた。
 「今は調子が良いし、もう一つ上で戦うには、まずは記念の決勝にしっかり乗ることだと思ってた。優勝したいとは思ってたけど、まさかこの歳でまたG3で優勝できるとは思ってなかった。(競輪祭出場が)まず一つ決まったので、1年かけてじっくり準備したい。新しく9月から弟子もできたので、一緒に成長しながら準備できたらいいですね。これで全日本選抜とか、ダービーも近づいたと思うけど、考えすぎたら駄目なので。一走、一走しっかり走って、その先に出れたら良いなって感覚です」
 一走入魂の心構えで、全てのレースで最善を尽くす。レースのグレードが変わっても、その姿勢は崩さない。直後に迫った平F1は、今節以上に大事な位置付けになると言う。
 「ここを優勝して、次の開催の山賀はどうなんだってみんな思うでしょう。だから次が勝負です。優勝した以上は次の場が大事。中3日でも絶対に走ります。明日か、明後日は、墓参りに行きますけどね(笑)」
 地に足を付けたまま、一走、一走を積み重ねて大舞台へとカムバックしていく。

 志田の番手にハマった青野将大は、最終バックからまくりを打つ。山賀には交わされたものの、準Vの結果を残した。
 「初手はどこでも良かったし、自分の(仕掛ける)番が来たら行こうと思ってました。あとは、自分の好きなハイペースの競走に持ち込んでと。山賀さんに(志田の後ろに)迎え入れてもらったんで、もう一回行かないと駄目だなと思った。外から来たのが(ラインの)山賀さんで良かった。G3の決勝で初めて確定板に乗れたし、進歩していると思います」

 成松春樹は、勝負所で9番手。阿部将大の巻き返しに乗り、4コーナーでは内のコースを踏んで3着に食い込んだ。
 「前受けだったら3番(片岡迪之)を突っ張ると思ってた。けど、全開で踏んできたんで出させた感じでしたね。ジャンでアンコになって危なかったんですけど、阿部(将)君が無理やり仕掛けてくれた。最後にもっと突っ込めていれば。もっと気持ちを強く持っていれば優勝まであったかもしれない。でも、まさか追加で来て(決勝で)確定板に入れると思ってなかったので」

Race Playback

レース展開4
 最終バック過ぎに番手から踏み出した青野将大選手を先頭に直線へ。阿部将大選手が後方まくりで猛然と襲い掛かったが、引き付けた山賀雅仁選手がゴール寸前で抜け出してVを飾った

レース経過

誘導員 : 山口泰生

 スタートは勢い良く飛び出した阿部将大が誘導員を追う。初手は、阿部将-成松春樹、志田龍星-松村友和、青野将大-山賀雅仁-白戸淳太郎、片岡迪之-阿部大樹の並び。 青板3コーナー過ぎに後方の片岡がゆっくりと上昇。赤板1コーナーで先頭に立つと、すかさず青野が仕掛けて先頭に出る。後方になった志田はジャン前から一気にスパート。最終ホームで志田が出切るも、追走の松村は離れて、青野-山賀が志田の後位にハマる。番手にハマった青野は、志田との車間を切りながら後ろを警戒し、最終バックでまくり上げて、3コーナーで志田を捕らえる。阿部将も後方から一気にまくるが、4コーナーで勢いが止まり3番手まで。直線では青野後位の山賀が、しっかりと抜け出してのV。2着にはまくった青野が残り、阿部将のまくりに乗った成松は直線でコースを突いてG3初優出で3着に入った。

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